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大統領の支持率上昇=政治危機とは裏腹に=貧困層の間で人気高く

7月14日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】与党労働者党(PT)を取巻くスキャンダルが続出、政局が危機に陥っているにもかかわらず、ルーラ大統領の支持率が上昇したという意外な世論調査結果が発表された。全国運輸連合(CNT)の委託を受けたSENSUSが今月五日から七日にかけ、百九十五都市で二千人の選挙民を対象に調査した。
 それによると、ルーラ大統領の支持率は五九・九%となり、五月の同調査での五七・四%より二・五ポイント上昇した。逆に不支持は三〇・二%(五月は三二・七%)でやはり二・五%下げた。政府に対する評価は、最良あるいは良しが四〇・三%(前回は三九・八%)、最悪もしくは悪いが二〇%(同一八・八%)で、どちらも上昇した。
 しかし全てが順風満帆ではなく、次期大統領選挙での予想支持率は低下しており、PTや国会に対する不信感が高まっている。「ルーラ政権になってから汚職が増加した」が四〇・三%(前回三一・二%)で、「減少した」が〇・一三%(同一七・四%)となった。
 ジェフェルソン・ブラジル労働党(PTB)前党首のPTへの告発については、六七%が真実だとし、虚偽の一八%を大きく上回った。また汚職については三五・四%が国会、三一・二%がPTが関与しているとし、大統領が関与していると答えたのはわずか一二%だった。
 これに対し全国二大労組の一つフォルサ・シンジカルのパウリーニョ委員長は、「町中を歩いている時でも大統領の悪口が聞こえてくる」とした上で、スキャンダルの隠れみのとするために政府が故意に事実を曲げた数字だと非難している。町ぐるみで大統領を応援している所もあり、そこで調査すると支持率が上昇するのは当然だとしている。セーラサンパウロ市長も詳細のコメントを避けながらも、「おかしな数字だ」と首をかしげている。
 来年の大統領選挙の仮想対立候補の支持率も徐々に上昇している。唯一決選投票に持ち込めるのがセーラサンパウロ市長で、第一次投票でルーラ大統領の四六・三%に対し三二・七%(五月では四九・七%対二七・一%)となった。アウキミンサンパウロ州知事は五〇・六%対二三・一%(同五一・八%対二二・二%)、カルドーゾ前大統領は五一・七%対二二・七%(同五二・八%対二〇・九%)となった。
 アナリストらによると、大統領の人気の要因は、雇用の増大、社会福祉の強化(七百五十万人の貧困家庭が恩恵を受けた)、所得増加(最賃の引き上げ)、貧困の撲滅推進の四つで、全てが貧困層を対象としている。いっぽうで大統領の不支持層は、南部地区に寄った都会居住者、高学歴者、高額所得者らである。逆に言えば、支持者は低学歴者、低所得者、郊外居住者、北東部の市民などで、比較すると後者の人口層が圧倒的に多いことが、ルーラ大統領の選挙を有利にしている。