「くたくただよ」と言って、差し出した両手は肌荒れがひどかった。日系人と結婚しており、幼い子供がいる。定職が見つからず、長らく親戚の文房具店を手伝っていた。レストランで働き出して二、三年。日々の生活に、悪戦苦闘しているそうだ。
〈カンポサント 移民の果ては野菊かな〉
サンパウロ州新報社主、香山六郎氏の遺句で、移民の怨念がよく伝わってくる作品だ。昔も今も、海外生活は見た目ほど派手ではないのだろう。
ブラジル社会に巣立っていったはずの二世たちが、コロニアに戻ってきて〃ご意見番〃になっている。戦前生まれの二世は明かす。「ブラジル人になり切れなかった」。
政界スキャンダルが連日、伯字紙を賑わしている。いったい、どこに決着するのだろう?(古)
05/7/14