7月16日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】郵便局汚職CPI(議会調査委員会)は十四日、郵便業務の委託認可を受けた支局が認可の見返りにリベートを徴収されたとする新たな告発も解明することになった。支局が集中する大都市でリベートは集められ、連立与党下議の議員事務所へ裏金配布の目的で送られた。郵便業務委託の申請手続きと認可査定は、議員らの政治判断によって行われていたという。リベートの徴収告発で、認可が取り消されないことをCPIは保証した。
新たな裏金配布の疑惑が、郵便局汚職CPIで浮上した。郵便業務の委託認可の見返りとして毎月、支局は一定金額を議員事務所へ収めていたという。告発を受けたCPIメンバーのサンパイオ下議(ブラジル社会民主党=PSDB)は、郵便局の前営業部長オゾリオ氏の召喚前に事実解明を行うとしている。
PT政権発足以来、業務認可の査定は全て政治判断で行うようになったとオゾリオ氏が明らかにした。リベート徴収を告発したことで業務認可を取り消されないよう、CPIが保証を確約した。支局への認可は二〇〇七年まで有効だ。リベートの金額と受取人の氏名を報告するように、CPIは各支局へ通告した。
しかし、リベート徴収に直接関わったのは、議員の代理人かラランジャ(名義賃貸者)とCPIではみられている。リベート徴収の対象は、立地条件と業績のよい支局となったようだ。支局と議員事務所との間には幾重にもラランジャを置き、政党との関係は完全に消されている。
サンパウロ市やカンピーナス、ソロカバ市などは、ほぼ全域が毎月リベートを徴収されている。同地域は全支局の責任者がCPIへ召喚されるらしい。業務認可をめぐる政治家と業者の癒着関係が定着し、公共サービスが汚職の温床になることをCPIは恐れている。
CPIは、郵便支局の協力が得られなくても関与した政治家を洗い出すという。まず業務認可に至った経緯から、業者と政治家の関係を洗うとしている。続いて、支局の銀行口座と資産明細の開示を行う。第三者の密告も募る。郵便局地方本部にもリベート疑惑で、捜査介入する。
業務認可を受けた支局は現在、千五百四十局ある。このうちの二百支局が、取引の七〇%を行っている。支局の歳入総額は年間二〇億レアルに上る。サンパウロ市の十大支局だけで、年間三億三〇〇〇万レアルの取引があった。支局は十五日毎に受取金を本局へ送金し、手数料を受け取る。手数料の割合は、取引量から算出する。
ブラジリアの場合、最大支局の中央南郵便局はアルジェロ下議の妻と共営者が経営者となっている。同支局の業務は九六年、入札なしで五年間の契約が認可された。その後期間の延長申請が行われ、現在に至った。認可は〇二年までだったが、議会が〇七年への延長を認めた。
この議会承認には、支局の業者が政治献金二二〇万レアルを集め、議員に送ったとする告発がジョルナル・ド・ブラジルに掲載された経緯がある。同紙では、支局の業務認可はラランジャの名前で議員が取得していると告発されている。