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リ杯決勝=サンパウロ、南米王者に=ブラジル初のトリ・カンペオン=4対0でアトレチコに快勝

7月16日(土)

 ブラジル初のトリ・カンペオン(三度目王者)――。リベルタドーレス杯決勝の第二戦が十四日、サンパウロ市内のモルンビー競技場であり、サンパウロが四対〇でアトレチコ・パラナエンセに快勝、一九九三年以来となる三度目の優勝を勝ち取った。ブラジル勢の優勝は九九年のパウメイラス以来六年ぶり。サンパウロは南米王者として、十二月に日本で開かれるクラブ世界選手権に出場する。
 六〇年の創設以来初となる同国クラブによる決勝だが、六日に行われた初戦は両雄相譲らず、一対一の引き分け。この日の結果が雌雄を決するとあって、モルンビーに詰め掛けた七万二千人の大観衆の大半がサンパウロに声援を送った。
 サンパウロがその名を世界にとどろかせた九二、九三年の連覇以来となる優勝が掛かるだけに、入場券を巡る騒動も並ではなく、通常の試合よりも二~三倍の定価を設定したにも関わらず、発売から三日程度でほとんどの席が完売。定価三十レアル程度の席が試合当日にはダフ屋によって三百レアルで売られたり、偽の入場券が出回ったりするなど南米クラブ最高峰の価値を持つ同大会ならではの熱狂ぶりを見せた。
 七万人の大歓声を後押しに、サンパウロは試合開始から優勢に試合を展開。前半十六分にMFダニーロのシュートをFWアモローゾが押し込んで待望の先制点を挙げた。互角の展開を見せた初戦と異なり、押し込まれがちだったアトレチコは前半ロスタイムに、審判の誤審で得たPKをMFフファブリッシオが、ポストに当てる痛恨の失敗。絶好の同点機を逃し、意気消沈したまま後半に入った。
 後半七分、右からのコーナーキックをDFのファバンが頭で合わせサンパウロが二―〇。この時点で事実上、サンパウロの勝利が決まったようなもので、競技場内に一斉に「トリ・カンペオン」の雄たけびが響き渡った。
 同二十五分にはこの試合を最後にJリーグの名古屋グランパスへの移籍が決まっているFWルイゾンが「お別れ」のゴールを決め、駄目押し。ヴァスコ・ダ・ガマやコリンチャンスなどを通じて大会通算二十八点目の得点を挙げたルイゾンは、ペレやジーコを上回る大会でのブラジル人得点王として日本に向かう。
 さらに同四十三分にはジエゴ・タルデリが四点目を奪い、「フェスタ」の幕を閉じた。
 サントスなどが過去、二度の優勝を勝ち取っているが、ブラジルのクラブで最多となる三度目の優勝を勝ち取ったことにファンも熱狂。試合後パウリスタ大通りに祝いに集まったサンパウロのファンたちは、バールを占拠したり、バンカを破壊したりしたため、警官隊と激しい小競り合いを見せる一幕もあった。
 十二月十一日に開幕するクラブ世界選手権には欧州代表のリヴァプールなど各大陸王者六クラブが参加。九二、九三年に世界一に輝いているサンパウロはここでもトリ・カンペオンを目指す。