7月19日(火)
毎日新聞群馬県版(六月二十五日付)、桐生タイムス(六月十三日付夕刊)によれば、落書きで汚されたJR線桐生駅(桐生市)近くの高架下の壁面に、桐生第一高校美術部員十二人が半年かけて、壁画を描きあげた。壁は、四季の花や疾走する列車の絵で埋め尽くされた。壁画の原画を考えたのは、ブラジル生まれ日系三世で、同地在住の天野まゆみさん(第一高二年生)。
まゆみさんは、サンパウロ在住の上妻博彦さんの孫娘(日本に渡った上妻さんの次女エリーザさんの長女)。まゆみさんの〃渡航〃は三歳のときだった。上妻さんによると、「もうポ語は話せないかもしれない」。
まゆみさんの将来の希望は、漫画家になること。新潟市で開催されるストーリー漫画のコンテストで入選した実績もある。それでも「まだまだ実力は足りません」と自己評価。大学に進学し、デザインを学ぶつもり。今回の壁画完成に際し「雪、桜、紅葉と、警報機にからんで咲く朝顔で、通勤通学の気分をよくしたかった」と語った。
関係者は、六月二十三日、完成を祝った。桐生署の八木寛治署長が「街頭犯罪を誘発する落書きが、みごとな四季の景色に変わりました」と感謝状を十二人の美術部員に贈った。