7月20日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】与党労働者党(PT)新首脳部は十八日、デルービオ・ソアレス前PT財務担当が選挙資金の捻出に用いた裏金帳簿の存在を認めたことで、同氏の党除名と違法債務の契約不履行を検討することにした。裏金帳簿は買収と同様に違法行為とされ、PT執行部は十九日、同件の位置付けを行う。検察庁は前財務担当と広告業者ヴァレーリオ氏の供述が、郵便局汚職を選挙資金捻出にすり替えようとする口裏合わせだと見ている。
前財務担当が検察庁での供述の際に買収工作は否定したものの、裏金帳簿の存在を認めたことで、PT執行部は新たな難問を抱えた。ジェンロPT党首を始めとする新PT首脳部は、前財務担当の党除名と違法債務の決済を首脳部が拒否するかどうか討議する。
PT新党首は、党の債務であるならば党が決済すると述べた。選挙裁判所に申告したPTの選挙費用は、二〇四〇万レアルであった。その他に広告業者を通じて捻出した三九〇〇万レアルの借金があることを、前財務担当が告白した。
郵便局CPI(議会調査委員会)のメンバーであるマシャード上議(PT)は、前財務担当が責任者なら、自ら党を去るべきだという。自主的離党がないなら、当然党はその他関係者も含めて処罰するべきとした。またリベイロ下議は党の了承があったか、前財務担当の独自判断であったかを確かめるべきという。PTはすでに、州知事や上議、下議、市長多数を除名にした。
ベルゾイーニ新事務局長は、党倫理委員会に判断を任せるべきという。ペレイラ前事務局長についても、同様措置が取られる。同審査は数カ月かかる模様だ。除名と決まった場合、ジェノイーノ前党首やジルセウ前官房長官など関係者多数が、道連れになるらしい。
PTサンパウロ州支部は、選挙裁へ未届けの選挙費用で揺れている。裏金帳簿は全国規模で存在し、全PT議員の胃袋が恩恵を受けた。裏金は表に出ないだけで、知らないでは通らない話だ。全員に通知すればPTが空中分解しかねないことで、財布を預かる裏方だけが知る微妙な問題といえる。
選挙の裏金は、当選の保険のようなもの。最後の一押しが必要なときにものをいうのが裏金。当選してしまえば、裏金はなかったことにする。これが選挙の常識。裏金はPTだけの問題ではなく、ブラジルの政治改革に関わることだと良識ある意見もある。
ヴァレーリオ氏が検事総長に、ジルセウ前官房長官とペレイラ前事務局長は銀行融資を党資金へ振り替えた経緯を知っていると供述した。また同資金の引き出しを許されたPT信任職員の名簿も、検察庁へ提出した。同広告業者の供述は、政府首脳が銀行融資について一切関知していないとした前財務担当の供述とは、微妙なズレがある。
銀行融資の最終責任者は誰かというCPIの質問に対してヴァレーリオ氏は、ジルセウ氏とペレイラ氏が銀行融資を了承済みと前財務担当から含みがあったと答えた。全ての事後取引で両人が身元保障人となるお墨付きを貰っていることも明らかにした。