7月20日(水)
ブラジルでも原爆の悲惨さを訴え、核兵器廃絶を目指す声を国連に届けようと、「高校生一万人署名活動」実行委員会の松尾美咲さん(18)が長崎県から来伯し、フェスティバル・ド・ジャポンの在ブラジル原爆被爆者協会(森田隆会長)の原爆写真展ブースで署名活動を行なった。三日間で署名は八千以上にも及び、最終日十七日にはジョゼ・セーラサンパウロ市長も来場、写真パネルを見た後署名したという。
「日本の裏側にも被爆者がいることを知り、広く活動ができるのは意義があることだと思って志願した」と松尾さん。
「ブラジルの被爆者の方と話をしてみて、支援が思うように受けられない生活の苦しみもあることを知った。どんな気持ちでブラジルに渡ってきたのかということも考えるようになった。世界中どこにいても被爆者は被爆者だなと実感した」と語る。
日本からブラジルへ署名活動に来るのは初めてのこと。今年被爆六十年、同会設立二十年の節目に励みとなった。「こんなにたくさんの人に関心を持ってもらいこれからの日本での活動への活力になります」
フェスティバル・ド・ジャポンのブースではスペイン語で説明のついた写真パネル二十枚が展示されたほか、広島原爆資料館から提供されたポ語による『母たちの祈り』という原爆のドキュメンタリーが上映され、日系人はもちろん、非日系の来場者に喜ばれた。「驚きました。胸を張って日本に帰れます」
また、同協会ではこれをきっかけにブラジルでも活動を広めるべくアベウニやアセベックスなどに働きかけ、今後も署名活動を続ける予定。例年のように八月六日には西本願寺、同九日にはサン・ゴンサーロ教会で慰霊祭が行われるが、「今年は在伯被爆者から手記や絵を集め、記念誌を出したい」と、協会の渡辺淳子理事は話している。