7月20日(水)
リベルダーデ区サンジョアキン街288の旧カンポス・サーレス州立校を不法占拠していた約七十家族・百八十人が十九日、軍警によって強制退去させられた。「住民」は親族や知人らを頼って次の住処を捜すことになる。同校は文協から約百メートルの距離にあり、曹洞宗佛心寺の門前に位置。占拠以来、治安悪化を懸念していた地域住民は胸をなでおろしている。
「引越し」は寒空の下、早朝から開始。運搬業者が用意したトラックは四十台を数えた。ベッドや冷蔵庫、洗濯機、鳥かごなどが次々と運び出され、約八十人の警官が見守る中、作業は夕方まで続いた。
任務を受けた第十一部隊のサンドロ・アフォンソ・ド・レゴ少佐は「当日の混乱を避けるため、十日前に関係者間で話し合いの場を持っていた」と説明。撤去した荷物は市当局が最長九十日保管し、期間内に引き取られなければ、「寄贈」の扱いになるという。
同州立校はイタリア人建築家が一九一一年に設計。東洋人街にあることから数多くの日系人も通ったが、九二年の火事で半焼、事実上「廃墟」と化していた。