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バストス=卵祭りに「20万人」=パウリスタ線の名物行事

7月20日(水)

 〃卵の町〃バストスは十四日から四日間、第四十六回卵祭りを開催、約二十万人が会場を訪れた。マリリア、ツッパン、ドラセーナからも多数が来場するなど、パウリスタ沿線地域に定着した人気の高いイベントとなっている。
 大物歌手が登場することでも有名な同祭。十五日夜半には人気歌手、ケリー・キーが舞台に立ち、会場は興奮に包まれた。
 バストス市、同市議会、日系文化協会(真木勝英会長)の共催。パウリスタ連合会に所属する日系十四団体が招待されている。
 卵祭りは、一九四八年の入植二十年祭事業の一環として始まり、入植記念日である六月十八日に行われていた。後年、出聖している学生らが帰省し易いよう七月に開催期日が変更され、現在に到っている。
 初回に一万一千五百二十個の鶏卵を使用して作成され話題を呼び、卵祭の象徴でもある「卵の門」をくぐって入る主会場では、養鶏関係企業などによる見本市が行われ、お馴染み〃卵富士〃もお目見えした。
 期間中には、鶏卵や鶉卵の品評会も催され、業者たちは普段の丹念な養育の成果を競っていた。
 リンゴアメや射的など約六十の屋台が会場を埋めた沿道は、家族連れやカップルたちで賑わい、特設された遊園地からは、子供たちの声が響いていた。
 食堂となった大テントは野球、柔道、ソロバンなど各クラブ自慢のうどんやヤキソバ、すしなどに舌鼓を打つ来場者の声に包まれ、注文を取る生徒たちのかいがいしく働く姿が見られた。
 恒例となった文協日本語学校のオムレツも大好評、今回は約七千個を売り上げた。日本語教師の相原貴余志さんは「みんなよく頑張ってくれました」と笑顔を見せていた。
 豊島重幸副市長は、「ブラジル人も最近、参加してくれています」とデカセギの影響で非日系が運営に関わるようになった最近の傾向を説明。
 文協の部宇佐美宗一日本語総務は「デカセギ帰りで日本語ができる子供が多くなった。これから祭りの形も変わっていくのでは」と卵祭りの将来を見据えている。
 このたび二年ぶりに里帰りを果たした西徹元市長。
 「昔はみんなこの機会に帰省していたものですよ。でも最近少なくなってきているよね」と話しつつ、古里の空気を吸い込んでいた。