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ルラル銀行の口座明細書公開=郵便局CPI=裏金配布を裏付け=PP、PL含み6千万R$超=年金基金にも調査のメス

2005年7月21日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】郵便局CPI(議会調査委員会)は十九日、ルラル銀行から提出された口座明細書を公開、裏金配布の実態を明らかにした。CPIは裏帳簿よりも違法事実の立件を裏付けるものと重視した。口座から裏金を引き出していたのは、自由党(PL)の前財務担当と進歩党(PP)のジャネーネ下議補佐、労働者党(PT)のゴーメス下議、クーニャ前下院議長の妻などであった。引き出し額は予想を上回り、六〇〇〇万レアル以上に達していた。
 広告業者ヴァレーリオ氏の会社SMPBとDNAは、裏金融資の窓口であったことがルラル銀行の口座明細書から裏付けられた。判明しただけでも融資額は、下院金融審議会提出の二一〇〇万レアルを遥かに上回る六〇〇〇万レアル以上だった。SMPB発行の指定人払い小切手で、裏金享受者宛に支払いを行った。
 多額の引き出しでは、レイスSMPB財務担当の一〇〇〇万レアルとアウヴェス鉱動省職員の五〇〇万レアルがある。現在までに、三十六人の身元が確認された。二十日中には、全員の身元確認が行われる。
 二〇〇三年十月六日と七日には、現金輸送車で八十万レアルと六五万レアルの現金がSMPBに運ばれた。ルラル銀行窓口で引き出した者には、議員証明書のコピーを添付したものまである。金額が判明しないのは十八人に上り、代理人が引き出している。
 CPIは、さらに公社年金基金の金融投資についても調査のメスを入れる。ヴァレーリオ氏が年金基金の名義で、PTへ裏金融資を行った疑惑がある。年金基金は、裏金疑惑の舞台となったルラル銀行やミナス銀行へ金融投資を行っている。主な年金基金プレヴィやペトロスなど六基金は近く、CPIへ召喚される。
 SMPBのシモネ・レイス財務担当は、連邦警察の取り調べを受ける。彼女はルラル銀行の最大取引を仕切ったが、実際は現金に触れたこともないらしい。上司から指示されるままにサインをして、約百人の政治家や補佐に裏金配布を行っていただけとされる。
 裏金コネクションの中で彼女は、中心的な役割を負わされた。彼女自身は認識しているのか。同コネクションは、ヴァレーリオ氏の共営者でミナス州副知事アンドラーデ氏の企業IDAQにも広がりそうだ。
 かつてグシケン長官の管轄下にあった広報業者が、業務契約の見返りとしてPTへの資金融資を強要されたというヴァレーリオ氏の供述で同長官が困惑している。同長官は奇異としているが、果たして魔の手は広報局にも伸びていたのか。
 供述によれば、業務契約を結んだ業者はPTへの銀行融資で連帯保障を強要されたという。問題は連帯保障を要求した銀行にあると、同長官は見解を示した。奇異なのは事実の解明はまだ行われていないが、民間人がPTのために銀行融資を取り付け、それを党が配布したことと見る。
 PTの前財務担当が党の了解を得ずに銀行融資を取り付けたかを問うジェンロ新党首は世間知らずだと、同長官は批判した。選挙終盤戦は戦場だが、平和時にはそれが非常時だということが分からないという。