2005年7月21日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】政府与党労働者党(PT)の裏帳簿の存在と資金の流れが明らかにされるに伴い、党内部は大混乱に陥っている。中銀が市中銀行によるPTへの資金の動きを調べたところ、ルーラ大統領就任の二〇〇〇年から二〇〇四年十二月までの二年間で、PTの借財は総額一億二一〇〇万レアルに上ったことが判明した。
党の財務表では債務は三九〇〇万レアルとなっているため、差額はB帳簿といわれる裏帳簿で処理されていることになる。デルービオ・ソアレス前財務担当は独断で借金をし、B帳簿で操作したと証言しているが、党内部では前執行部要人も関与していたと疑いの目を向けている。
いっぽうでジェノイーノ前党首がスキャンダル事件で失脚した後を受けて就任したタルソ・ジェンロ新党首は「B帳簿にある負債は支払わない」との態度を表明している。これに対し貸し付けた銀行側は、党内部の問題だとして法に訴えてでも取り立てるとの意向を示しており、PTの失態と醜態をさらけ出す形となった。
また党執行部は前出の前財務担当の党籍はく奪を協議したが、議会調査委員会(CPI)で党に不利な爆弾証言をされる怖れがあるとして、当分保留にする決定を下した。「臭い物にふた」の執行部処置に党内強硬派から批判が噴出している。
中銀の調べによると、PTの直接借り受け金は、伯銀が一九二九万レアル、ルラル銀行が五三〇万、ミナス銀行が二七四万、その他が二五万レアルの総額二七六〇万レアル。これにヴァレーリオ氏経営の広告代理店名義でPTに流れた九三四一万レアルが加わる。(いずれも〇四年十二月時点で利息および価値修正付)。
これに対し両氏は選挙法に基づく献金および融資ということで証言は一致しているが、唯一異なる点は、ヴァレーリオ氏がこれら資金操作をジルセウ前官房長官が知っていたと主張していることだ。
ピメンテル新財務担当が帳簿を検査した結果、帳簿に正式に記載してある三九〇〇万レアルの債務に加え、伯銀の二〇〇〇万レアル、州や市の地方代議員向支払い四〇〇〇万レアルを加えると当面の債務は一億レアルとなる。これを精算するには向う十八カ月間一二〇万レアルが必要で、当然経費削減および大量の人員解雇につながるという。同党の昨年の収入は四八〇〇万レアルだったが四〇%の赤字となった。