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COPOM=基本金利を据え置き=6月に続き年19・75%=経済活性化に引き下げ急務

2005年7月22日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】通貨政策委員会(COPOM)は二十日の月例会で、基本金利(SELIC)の据え置きを満場一致で可決、これを受けて中銀は年利一九・七五%の発表を行った。これで六月に続き二カ月連続の据え置きとなった。
 市場では昨年九月から今年五月まで毎月連続して引き上げを行ってきた中銀が、ここに来て金利引き締め政策を一段落させたと受け止めている。中銀筋も委員会の議事録を見なければコメントできないとしながらも、ここ二カ月間デフレとなっていることから、金利引き上げの大義名文はもはや無く、事実上金利上昇は止まったとみている。
 金融アナリストは過去九カ月の間に三・七五ポイント引き上げ、実質金利(基本金利から向う十二カ月間のインフレ予想率を差引いたもの)が一四・一%と世界でも類を見ない高金利となったことで、経済成長の足を引っ張る結果となったと分析しており、インフレが一段落した今、経済を活性化するためには今度は逆に金利引き下げが急務だと強調している。
 引き下げ開始の時期は八月から、または九月からと見方はマチマチだ。いっぽうでサンパウロ州工業連盟はCOPOMの金利政策は、低気圧を含んだ不透明な暗雲が上空を覆っているような雰囲気だとした上で、今月の決定はデフレと経済停滞を汲みとって一%下げるものと期待していたとの見方を示した。これにより今年下半期の投資推進のはずみとなる点を強調している。
 サンパウロ州商業連盟でも同様に、少なくとも〇・五%の引き下げが必要だとして、現在一〇%にまで増加している買物の不払いに歯止めをかけなければならないとの見解を示した。
 COPOMの金利政策はインフレに過敏になりすぎているとの見方が大半を占めている。小売価格による消費者物価指数を計る経済研究所(IPC―FIPE)によると、今月の第二週の物価指数はインフレ率ゼロで、このまま今月はゼロで推移すると予想する。
 電話料金の値上げで指数が〇・一二ポイント上がったが、電気料金の値下げがマイナス〇・一五ポイントとなり、差引きゼロ勘定となったことで、今年のインフレは五%から五・五%にとどまると予想している。政府目標が五・一%と射程距離に入っており、金融筋が予想していた六%以上には達しないとみている。
 いっぽう、ジェトゥーリオ・ヴァルガス財団の市場総合物価指数(IGP―M)も〇・二五%のデフレを示しており、六月の〇・三八%に及ばないまでも、デフレ推移が顕著となっている。