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「歓迎」「いや、不十分」=人民元切り上げ評価マチマチ

2005年7月23日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】中国の人民元切り上げを受けて国内産業界は、切り上げ幅が小さいにもかかわらず、政府の姿勢が一歩前進したと受け止め、一様に歓迎の意を表している。
 しかし、サンパウロ州工業連盟では今回の二・一%切り上げは中国の国際競争力に何ら影響を与えず、中国製品の安値攻勢は変わらないと不満を表明している。中国は実質二〇%以上の人民元高となっており、今後もアメリカやEU諸国が圧力を強めていくことを期待するとの見解を示した。
 サンパウロ州工業センターも同様の見方をし、今回の切り上げは経済的でなく政治的な意図に基づいた象徴的なものだと決めつけている。サンパウロ州商業連盟では過去五カ月間に中国からの輸入が五九%増加したのに対し、輸出はわずか三%伸びたにとどまっており、今回の切り上げも何ら効果を期待できず、近い将来二国間貿易ではブラジルが赤字に転落するだろうと予測している。
 中国の競争に太刀打ちできず青息吐息の製靴業界は、今回の引き上げで状勢変化が表れるのをワラにもすがる思いで期待している。反面、人民元高でブラジルから中国への輸出品の大豆油、紙パルプ、鉄鉱石などは競争力が高まり、輸出増加の可能性が出てくる。中銀のメイレレス総裁は談話の中で、中国は今回を皮切りにさらなる切り上げを用意しているのが伺えると好意的な見方を示した。