2005年7月23日(土)
サンパウロ日伯援護協会(酒井清一会長)は二十一日に定例役員会を開き、スダメリス銀行が移民百周年の資金獲得のために準備した「スダメリス百周年CAP」に、団体として参加しない方針を固めた。もちろん、個人の資格で参加するのには何ら問題はないが、〃御三家〃の一つがプランに背を向けたことで、ほかの日系団体に影響が出ると思われる。
役員会で焦点になったのは、主催者側から協力を求められた時の対応方法。担当役員が「月々一口五十レアルから、参加が可能。五十カ月後のプラン終了時には、支払った額の八五%が払い戻され、抽選により賞金が当たるチャンスがある」などと、プランの概要を説明した。
「百周年祭典協会が他人のふんどしで相撲をとるのは、軽々しい考え」「寄付と会費で成り立っている援協が、協力者の好意をロテリアに回すのは倫理的におかしい」「百周年に投資しているというイメージが、沸かない」などと厳しい意見が相次いで出された。
援協は、四十億円以上の年間予算を計上し、コロニアで最大の団体だ。しかし、予算の九割を占める日伯友好病院は、医療機器の購入などに多額の費用がかかる上、老人ホームなどの施設は赤字補填に苦心している。そのため、プランの参加について、慎重論が優勢を占める形になった。
同プランは、二〇〇八年六月に五十万レアルのプレミアムが用意されるなど話題を呼びそうなだけに、援協の決定がほかの団体にどう影響を与えるのか、注目が集まりそうだ。