2005年7月27日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】郵便局CPI(議会調査委員会)は二十五日、ブラジル銀行から提出された広告業者ヴァレーリオ氏の口座開示書類を公表し、政治団体や法曹界など買収工作が広範囲に行われていたことを明らかにした。全国市長連盟や司法団体、NGO団体などの団体や多数の個人が多額の裏金享受で名を連ねていた。同CPIの上程者セラグリオ下議は、同開示書類を一級危険物扱いと位置付けをした。
広告業者ヴァレーリオ氏の銀行口座開示で、出所不明の資金と買収の対象と思われる数々の裏金享受者が、政府関係者や国会議員の中からあぶり出されそうだ。全国市長連盟やNGO団体、司法関係の二団体など四団体が確認済み。司法関係の調査機関は、ヴァレーリオ氏買収のもとに調査を行っていたことも判明した。
連邦裁判所判事協会の買収に至っては、裁判長のリベート享受の可能性もある。その中で二〇〇四年に判決取引の容疑で審理を行うことなく更迭されたヴァウテル・F・シャビエル高等裁判事の名前もある。これで広告業界と法曹界の癒着関係も、明るみに出ると議会はみている。
本来ならば司法団体が広報費を業者に払うべきだが、逆に貰ったのは違法取引があったからと理解される。NGOの非営利団体は、大手企業と政治団体や司法団体の仲介業務を行い、謝礼を貰っていたようだ。
調査の進行に伴い行政府と司法府、立法府の黒い関係が判明し、ブラジル弁護士会(OAB)のブサト会長は嘆息をついた。全国市長連盟は新たに選出された新市長の祝賀会に大口献金九万レアルを受領したが、会長は献金について知らないという。結局、誰の懐に入ったか分からない。
郵便局CPIはブラジル銀行のヴァレーリオ氏の口座へ振り込んだ資金提供者を調査したところ、TELEMIGとアマゾニア・セルラールであることが判明した。両社は、ダニエル・ダンタス氏が頭取を務めるオポチュニティ銀行傘下の企業である。他に大手銀行や自動車製造企業も、資金を提供した。
議会は大手銀行や企業の裏金提供と行政府の癒着関係、それに関わったヴァレーリオ氏とソアレス前労働者党(PT)財務担当の役割が解明されることを期待している。これまで供述してきた融資資金の他、企業献金も明るみに出そうだ。
郵便局CPIは、連邦警察がルラル銀行ベロ・オリゾンテ支店で押収した書類により、政界の灰色議員が一網打尽になるとみている。同書類は最高裁に保管され、二十七日にCPIに手渡される。そこには、疑惑の議員百二十人が名を連ねている。大量の議員権剥奪が行われ、多数の国会議員が追放されることになりそうだ。
ジェフェルソン下議の告発に始まった政界スキャンダルも、同書類の公表でひと区切りがつくらしい。公表前に金融機関が資金の流れを整理し、出所と行き先を確認する。金融取引に関わり、犯罪が立件された銀行も責任を問われる。政治家のダミーが多数、ブラジル銀行を舞台に暗躍していたようだ。