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闇に包まれたブラジル人射殺事件=新事実は銃弾の数のみ=遺族ら全貌説明求め訴訟へ

2005年7月27日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】イギリスのロンドンで、ブラジル人男性がテロリストと間違えられて警察官に射殺されてから四日が経過したにもかかわらず、英当局から何らの事情説明や釈明がなされていないことで、ブラジル外務省をはじめとする関係者はいらだちを見せている。
 検視の結果、銃弾は合計八発で、うち七発が頭部に、一発が肩に命中していて、当初の警察発表の合計五発を上回ったのが新事実として公表されたのみで、それ以外は依然として闇に包まれたままだ。ロンドンに滞在している被害者の従兄らは弁護士の勧めもあり、当局に真相の説明を求める訴えを起こすとともに、遺体の早期引き渡しを要求した。
 いっぽうでロンドン在住のブラジル人を主体とした約三百人のデモ隊が事件の発生したストックウェル駅前やMI6(英情報局本部)前で抗議集会を開いた。また被害者の出身地のミナス・ジェライス州ゴンザーガ市では両親や親戚に加え、市民総出でデモを繰り広げ「痛みを全世界に訴える」と気勢をあげた。
 訪英中のアモリン外相は、ストロウ英外相と会談後の共同記者会見で、英外相からは射殺に対する謝罪と家族への賠償の用意があるとの申し出があったことを明らかにしたが、英政府の公式見解と釈明がないことから、事件の全貌解明を要求したとしている。
 いっぽうで当初取り沙汰された被害者の滞在ビザが期限切れだったことは誤報で、調査の結果、合法だったことも証明した。これにより英当局が発表したように何故被害者が駆け出したのか疑問が生じている。さらに関係者は五つの疑問点が不可解だと指摘している。
 一、英当局はイスラム教徒のテロリストをマークしていたはずだが、カトリック教徒のブラジル人(被害者)のアパートを監視して、外出の際は尾行したのか? 二、尾行していたのなら、地下鉄に下りる前に職務質問できたはずだが、それをしなかった理由は? 三、地下鉄駅構内で、警察官はどのような態度で被害者に対応したのか? 四、何故被害者は急に駆け出したのか?。五、警察は何故説明に手間取っているのか?。
 ロンドン在住の被害者の従兄らは、イギリスの民事訴訟で屈指といわれるピールス弁護士の後押しで、事件の全貌の説明を要求する訴えを当局に対して起こした。英国法律ではこの種の訴えが認められている。さらに従兄らはアモリン外相と面談し、遺体の早期引き渡しと、遺体をブラジルに運送する便宜を依頼した。同外相は費用も含め全面協力を約束したという。

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