2005年7月27日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十六日】予想インフレ率(IPCA)の低下、経常黒字の記録更新といった経済の好指標にもかかわらず、二十五日の金融市場は政治危機の悪化を懸念し、大きく動揺した。
外国為替市場ドル相場は、一ドル二・四六二レアルで取引を終え、六月十日以来の高値をつけた。先週の終値一ドル二・三九八レアルからは二・六七%の上昇で、これはほぼ十四カ月ぶりの急騰。今月に入ってドルは五・四八%上昇している。
サンパウロ証券取引所の平均株価指数(Ibovespa)は二万四五三〇ポイントと三・三九%低下、今年に入って三番目の大幅下落となった。同指数を構成する五十五社中、株価が上昇したのは四社だけだった。また先物商品取引所(BM&F)でも金利が上昇、カントリーリスクは一・二〇%上昇して四二一ポイントへ、外国市場で最も取引される国、グローバル40は一・五〇%下落した。
二十二日には米国の投資銀行メリルリンチがブラジル国債を市場平均値以上から平均へと格下げ、二十五日には英紙ファイナンシャルタイムズの社説がブラジルの政治危機を強調したことも投資家の不安を誘い、市場を動揺に導いた形となった。政治家らはコロル大統領罷免以来最大の政治危機に注視して他の事項には目を向けなくなり、現在まで安定を保ってきた経済が悪化する兆しが見え出した、しかし最も必要とされる政治改革は一向に進む気配がないと同社説は分析している。
ドイツの銀行WestLBのアモリン調査担当部長は、一、ルーラ大統領の政治改革断行、二、大統領罷免による副大統領の昇格、三、来年の大統領選挙でのガロチーニョ候補の台頭、の三つのシナリオを予測するが、いずれも現在までの経済基盤を揺るがすことに変わりはないと評価している。