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「敵はアジアにあり」=おろかな争いに気づいた伯亜

2005年7月27日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙六月二十五日】経済評論家のセウソ・ミング氏は、ブエノス・アイレスでメルコスルに関するセミナーに出席し、亜国企業家が時代遅れなチグハグな見解を言わなくなったことで奇妙な感じがしたという。
 伯亜両国はこれまで、イスカのはしのような議論を繰り返してきた。伯製の靴や冷蔵庫が亜市場でよく売れると、為替条件がよくないとか伯政府が補助金を出しているとか、亜国のローンの不備だとか亜企業家が泣き言をいった。
 実際の両国間の状況に変化はないが、亜企業家が新たな解決策を探し始めたことが変化した。チアラジア亜通産相は、ブラジルが豊かな外資を享受していることを妬んだ。外資享受の不利をセーフガード(輸入制限)方式でカバーしようと亜国は考えたようだ。
 しかし、よく考えて見ると、第三国からの輸入をブラジルからの輸入に切り替えたため、伯製品の洪水となったことに気付いたようだ。亜企業の弱体化は、国産品の価格引き下げのため七九年にホース財務相が市場開放を行い、産業の空洞化を招いたのが原因だった。
 自由競争が悪いことではないが、結果は危機を招く。失政による不均衡な産業構造は、どのブロックでも起きる。米墨間の不均衡は、伯亜間の不均衡どころではない。しかし、北米自由貿易協定(NAFTA)は、メルコスルよりも順調に運営されている。
 現実は亜企業家が考えていることとは反対だ。ブラジルの税金は合計で三七%なのに、亜国は二二%に過ぎない。金利はブラジルが二〇%に対し、亜国は七%だ。為替はブラジルの二・四〇レアルに対し、亜国が二・九ペソ。国民の教育水準は、亜国がはるかに凌駕している。
 世銀は、貿易不均衡は短期的には両国関係に悪影響を及ぼさないといっている。ただ、伯亜両国は肝っ玉が小さいと警告した。国際貿易で一%ソコソコのメルコスルで、何の寝言を言っているのかという。
 この世銀警告に亜企業は目覚めた。伯亜両国が貿易不均衡と関税協定を議論している間に、中国や韓国、タイが伯亜両国の国際市場を食いちぎっていることに気付いた。マヌケな伯亜両国は、敵がアジア諸国であることに遅ればせながら気付いたらしい。