2005年7月27日(水)
「書の甲子園」と呼ばれている国際高校生選抜書展(毎日新聞社、財団法人毎日書道会主催)。十月に審査が行われる同展第十四回目に出するため、ブラジル書道愛好会会長の若松孝司さんがモジ・ダス・クルーゼス市ジョゼ・アユマール日本語学校の生徒九人の指導に当たり、作品を集めた。今後、バイーア、松伯学園、カラムルー・ボーイスカウト隊からもそれぞれ出展してもらう予定だという。
若松さんは、一九九二年に渡辺少南さんが始めたアルファベット書道の後を継ぐ形で指導にあたっている。「やはり他国の文字よりも母国の文字の方が感情も入りやすく、いい作品ができる」。今回訪れた同校の生徒たちは小学校から書道をしている経験者ばかり。作品は「私は海岸で砂浜を洗う波に向かって歌う」「悲しみはいつかは消えてしまうものなのかな」などの意を主に歌詞から引用してポルトガル語で書いたもの。
同展には毎回約二十五カ国から出品されているが、横文字での出品はブラジルが初めて。現在は日本に留学中の学生も海外部門に出品しているそう。また、去年アルゼンチンの書道教師が来伯した際、アルファベット書道をすすめ、同国からも出品することになったという。
今までは縦書きの用紙に横に書いていたが、「横だけではなく、アルファベットを縦に書くのも不自然ではないのでは」と、去年から縦に書いた作品も出展し、コレジオ・ポリクルソ二年のダニエリ・テルミ・コモリゾノさんが大賞を受賞した。