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コラム 樹海

 コロニア語は美しい――、そう聞いてなるほどと思った。現在、日本の大阪大学大学院の工藤真由美教授らが来聖して、ヴィラ・カロン地区などで言語学の調査をしている。その一員、USP文学部の森幸一教授らとその話題になった▼「このトマテはゴストーゾ」。我々の会話には日常、何気なくポルトゲースの単語が混ったり、日本にない独特な表現をすることがある。会話は、そんなコロニア語じゃないと親近感が沸かないし、気が付けば勝手にしゃべっている。ただ、記事を書く時は別だと思っていた。例えば「このトマトは美味しい」と標準語に〃翻訳〃している▼コロニア語表記では「アラサツーバ」「ヅットラ街道」「ガルボン・ブエノ街」となるが、標準語風表記の「アラサトゥーバ」「ドゥトラ街道」「ガウヴォン・ブエノ街」を使うこともある▼日本では方言を使ってラジオ番組を放送したりと見直す動きあり、若者も「かっこいい」と感じているという。翻って、コロニア語を「ブラジルの方言」と認知する動きがあってもいいのかもしれない▼コロニア語を積極的に用いて書く、と思った時にいろいろ問題も思いつく。例えば、その記事を日本の人が読んだら訳分からないだろう、日語教育に悪影響を与えないだろうか、日本からの配信記事は標準語だがコロニア社会面は〃方言〃表記となる。その場合、紙面全体の整合性はどうなるか、などだ▼手紙やFAXなどで、読者諸兄の意見を編集部まで知らせてもらえれば有り難い。(深)

 05/7/28