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ヴァ氏の身柄拘束へ=郵便局CPI=証拠隠滅の恐れ=すでに遅し、意味なしの声も=口座は97年まで開示へ

2005年7月29日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】郵便局CPI(議会調査委員会)は二十七日、広告業者ヴァレーリオ氏の身柄仮拘束と資産凍結を賛成十九票、反対一票で決定し検察庁へ要請した。同庁は直ちに要請の合法性を検討の上、裁判所へ同手続きを行う。同手続きは通常十五日から二十日かかるので、被疑者の証拠隠滅を防ぐため緊急措置が採られる。被疑者の銀行口座の開示要請は、前政権の九七年までさかのぼって申請することも同CPIが決定した。
 CPIの拘束要請はアマラル委員長からソウザ検事総長へ電話で連絡、拘束手続きの指導を乞うた。被疑者は二週間前に証拠書類の焼却を行った。再度証拠隠滅の可能性があるので、CPIは被疑者の身柄拘束を決定するに至った。
 一方、CPIの措置に対しては反論もある。証拠隠滅の防止と抗弁への根回しに、拘束は無効という。被疑者は連邦警察や検察庁への捜査協力に合意しており、CPIの召喚にも応じた。多くの固定資産を有し国外逃亡の危険性もなく、黙秘権も認められたので身柄拘束はCPIの自己宣伝に過ぎない。被疑者はCPIよりも一枚上手で、前財務担当の協力を得て証拠は隠滅済み。スロモーでは、これだけの悪巧みはできないという。
 CPI調査は当初、過去五年間を調査対象としていた。それを前政権の九七年にまでさかのぼることにした。銀行口座の開示は、さらにブラジリア銀行とボストン銀行へも調査を広げた。PTへの裏金債務の返済期限延期の要請に臨んだとみられるジルセウ前官房長官の召喚は、八月二日へ延期された。前官房長官は八月二日、下院倫理委員会への出頭もありCPI召喚とかちあった。
 被疑者のヴァレーリオ氏は二十七日、首都近郊のホテルで妻のCPI喚問をテレビで見た。身柄拘束の決定には狼狽した様子。被疑者の弁護士団が妻のCPIでの応答を指導し、計画通りだと報告した。資産凍結に至っても、一部は凍結を免れると被疑者はみている。逮捕状が発行された場合、被疑者は短期間の拘束は覚悟しているようだ。
 ヴァレーリオ氏は広告会社の共営者に対し、発行した裏金小切手の共同責任を通告した。発行した小切手はすべて連署である。広告会社への告訴で被告席に座るのは、共営者全員であると通知した。ヴァレーリオ氏の独裁で会社は経営され、裏金の配布や営業方針については全く何も知らないと共営者らが声明を発表したことで、被疑者が逃げ道をふさいだ。
 ヴァレーリオ氏の弁護士のレオナルド氏は、CPIの被疑者拘束は申請の根拠がないと非難した。証拠隠滅の告発は、州検察局の録画と市警からの電話連絡を根拠とし、それらは被疑者の証拠隠滅を証明する証拠物件にならない。被疑者が証拠隠滅を指示した証拠は全くないし、隠滅の責任もないと述べた。
 同件は最高裁が審理しており、州検察局やミナス市警、州裁判所の関知したことではないと弁護士団はいう。州裁判所が盗聴を許可し録音をさせたことは、証拠ねつ造の違法行為であり、被疑者を陥れる策略であると弁護士団が糾弾した。