2005年7月29日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】サンパウロ市とリオデジャネイロ市は八月一日から、両市民の観光の相互乗り入れを促進する、〃交換〃観光パックを実施する。市民に両市の良さをもっと知ってもらうのが狙いで、週末を通常の半額並みの料金で提供するもので、「スーパーウイークエンド」と命名される。七月の休暇シーズンが終わりオフになることから、観光のテコ入れとするもので、これにより年末まで観光客の二〇%増を見込んでいる。これと並行してTAMも独自のパックを実施することを決めたほか、ホテル業界もセールスプランを発表してシーズンオフを乗り切ることを申し合わせたことで、両市の観光業界の活況が期待されている。
これまでサンパウロ市とリオ市は反目が多かったことから、今回の共同促進計画は稀有のケースとして注目されている。実施プランの正式発表はリオ市で三十一日午前、セーラサンパウロ市長主催のカクテルパーティの後、マイア・リオ市長主催の昼食会の席上で行われる。
サンパウロ市観光局によると、昨年のサンパウロ市への観光客のうち九・四%はリオ市民で、リオへの観光客のうち一四・六%がサンパウロ市民だった。両市での意識調査で、旅費が高くて訪問したくともできない声が多かったことからシーズンオフと重なることで、格安料金パックを実施することにしたという。
新パックは往復の飛行機代、ホテルでの一泊料金(土曜日から日曜日にかけ、朝食付き)で、二人で八〇〇レアルが目玉。ただし、この料金は三つ星ホテルで、四つ星になると九一〇レアル、五つ星で一〇〇二レアルとなる。それでも通常の五割引以下となる。飛行機は原則としてヴァリグ航空(経営不振を援助するため)だが、将来はほかの航空会社の参入も視野に入れている。
ホテルはサンパウロ市ではメリアー、オットン、マチス、クラウンの系列の二十五ホテルがパックに加入、三つ星が十九、四つ星が四、五つ星が二で選択が自由。リオではコパ、オットン、ウインゾル、メリアー、エセルシオルの十八ホテルで、順に三、十三、二の割合となっている。従来はチェックイン、チェックアウトともに半日単位だったが、このパックでは終日出入りが自由となっている。
両市の目玉は、サンパウロ市は国際商業都市なだけに買い物、国際的腕前のシェフ自慢の名物料理によるグルメ。リオ市は国際観光都市だけに、世界三大美港の一つ、グァナバラ湾の景観を含む観光スポット、海水浴海岸、遺跡めぐりなどだ。
市当局のお勧めメニューは、サンパウロ市では朝食は世界のパン食品が一堂に並ぶガレリーで、その後はポール・ド・ソール広場やピッコ・デ・ジャラグァ山頂からの景観を楽しむ。昼食はジェロやフィゲイラなどの国際料理レストランで、午後はパウリスタ大通りやビラ・マダレーナ区の商店街へ。オプションは旅行社による一日観光ツアーなど。
リオ市では、朝食はコロンボあるいはコパカバーナ・パラセホテルで、午前中はキリスト像のコルコバード、ニテロイ市のサンタ・クルス要塞跡など。昼食はガルシア・ダァビラ街のグルメ食堂、午後はイパネマやレブロン海岸へ。このほかオプションとして植物園、グァラチバの岩礁、パイネイラス街道の景観などがある。