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コラム 樹海

 相撲事情が国際的に変わってきている。本家・日本も、日本移民が持ち込んだブラジルでも、だ。日本の日本人やブラジルの日系人が、外国人と比較し、相対的に弱くなった▼相撲は、日本の国技とされる競技だが、基本的には格闘技である。強くなって、人の上に立つには、苛酷な稽古、練習が必要とされる。よくいわれるが、衣食が足りてしまうと、そんな苦労はしたくなくなる。より充実した衣食その他を求めようとする人が人にまさる鍛練を経て、強者になるのだ▼さきのブラジル相撲選手権大会の一方の主役は女子だった。「相撲女子の部」で力と技を競った。かつてないほど、新しい勢力が台頭した。結局、選考された世界選手権に出場するブラジル代表はすべて非日系人だった▼日本では「女子相撲」は〃差別的〃とされ、「新相撲」と呼ぶ。男子の相撲をベースにし、女性向きの用具、ルールを用いた女子相撲にもかかわらずである。ほかに、古くから「女相撲」があるが、これはスポーツ競技ではなく見世物あるいは神社へ奉納する行事だ▼日本の新相撲は、OLが競技者の主体のようで、外国勢の力と技には後れをとりつつある。間違いなく「めしのタネ」とはしないし、ならないからである▼ブラジルの相撲指導者たちが、日系人選手がブラジルの主流だ、という風にこだわらなくなって久しい。熱心に非日系人選手を育て、国際大会で好成績をあげようとつとめている。その割り切り方は見事といっていいほどだ。(神)

05/7/29