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前官房長官の喚問は不可避=郵便局CPI=補佐官に裏金疑惑=2日に喚問の是非を表決=事実解明へ大勢が動く

2005年8月2日(火)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙一日】郵便局CPI(議会調査委員会)の上程者セラグリオ下議は三十一日、CPI証言のためのジルセウ前官房長官の召喚は不可避であることを明らかにした。前官房長官の補佐官ロベルト・マルケス氏が広告業者ヴァレーリオ氏の裏金を享受した疑惑の一人であることを重視したCPIは、前官房長官の召喚の是非について二日に表決を行う。CPIの表決は、下院倫理委員会がジェフェルソン下議の議員権剥奪審議のために前官房長官を喚問する直前に行われる。
 前官房長官の補佐官と広告業者ヴァレーリオ氏のつながりが判明したことで、前官房長官のCPI召喚は免れない見通しとなった。労働者党(PT)のCPI茶番化圧力は下がり、事実解明へ大勢が動いている。
 下院倫理委員会が、裏金告発の火元ジェフェルソン下議の議員権剥奪を討議するために前官房長官を召喚する。その直前に、同前官房長官のCPI召喚を決議する。CPI召喚が決定すると、喚問は九日か十日になる。喚問内容は、倫理委員会での証言による。
 前官房長官が喚問に対決姿勢を見せるなら、CPIは審理範囲を広げる。ジルセウ氏側近による裏金五万レアルの引き出しが、CPIへの召喚理由となった。CPIが元閣僚級の召喚を実施することで反響は大きくなる。
 これまでのCPI進行に支障がなかったので、前官房長官の召喚で問題は起きないとみられている。野党にとっても、召喚は大きな成果だ。前官房長官の巻き返し作戦でもCPIは茶番劇にされないと野党はいう。CPIでのジルセウ証言は、一下議の発言であって閣僚の発言ではない。
 前官房長官の証言が告発を無効化する作戦であれば、高圧的に尋問を行うと野党は息巻く。単なる前官房長官の個人的証言でなくルーラ大統領の意向を含んだものなら、別の作戦を野党は用意している。
 裏金の引き出しで前官房長官の了承が証明されると、問題は複雑になると与党は憂慮している。ヴァレーリオ氏の裏金システムへの前官房長官補佐の関与が立件できるかに、問題の焦点がある。それまでに与党議員が軽率な発言をして、不利な形勢を作らないよう与党は警告した。
 ソウザ検事総長は、裏金システムと補佐官のつながりを重視しているようだ。同総長はヴァレーリオ氏の拘束は妥当としても、資産凍結は渋っている。裏金五万レアルの引き出しに補佐官マルケス氏の身分証明書が使われたが、実際に引き出したのは別人という。
 前官房長官とヴァレーリオ氏のつながり解明に続き、前議会対策担当ジニス氏と同氏のつながりの解明も再浮上している。ジニス氏の連邦経済金庫とITサービスGTechへの業務契約関与や賭博業者との癒着疑惑は、全容解明に至っていない。官房室と議会の間で同側近が行った根回しも、捜査対象とならなかった。
 連邦警察は二〇〇三年、前財務担当のソアレス氏とジニス氏がひんぱんに電話連絡を取り合っていたことを明らかにした。前官房長官にまつわる灰色の関係が、次々俎上に乗ることになりそうだ。