2005年8月2日(火)
ブラジル佐賀県文化協会創立五十周年式典が三十一日、サンパウロ市の同協会会館で開かれた。県人会関係者をはじめ約三百五十人が出席、半世紀の節目を祝った。一九一〇年、旅順丸着伯にはじまる佐賀県人移住。今年は県人移住九十五周年でもある。式典にあわせ、母県からは古川康県知事、石丸博県議会副議長をはじめとする慶祝団五十人が来伯。古川知事は「人と人、心と心が結ばれる関係の豊かさを感じています」と述べ、母県から最も離れたブラジルで活動を続ける県人会の五十周年に祝いの言葉を贈った。
舞台の正面には日伯両国の国旗と、クスの花をかたどった県旗。この日は三百五十人が会場を訪れた。辻定男副会長の開会あいさつ、日伯両国歌斉唱に続き、先没者へ一分間の黙祷を捧げた。
あいさつに立った井上清会長は、半世紀の間県人会を支えてきた関係者に謝意を表すとともに、「今日の式典が、これから十年、二十年先を見据えた県人会活性化の分岐点になるよう願います」と述べた。
この日は丸橋次郎サンパウロ首席領事をはじめ、日系団体の代表者、サンパウロ市議など多数の来賓が出席したほか、ジェラルド・アルキミンサンパウロ州知事や世界各地の佐賀県人会から祝電が届いた。
古川知事は「ブラジル社会で今日の信頼を勝ち得た先輩を、私たち佐賀県民は誇りに思います」と先人の功績を称えるとともに、「この式典を契機に、県とみなさんの関係をより確かなものにしたい」と祝辞を述べた。
その後舞台では、知事から県人会に祝儀が渡されたほか、県人会から知事、慶祝団に記念品が贈られた。知事からコロニア四団体に対する寄付も行われた。
高齢者表彰を受けたのは八十五歳以上の三十五人。最高齢の副島辰雄さん(103)に代わり、県人会顧問の島ノ江次郎さん(91)が謝辞を述べた。
協賛企業への表彰に続き、研修生を代表して徳武フェリシオさんがあいさつ。最後に一同で県歌「栄(さかえ)の国から」を合唱して式典は終了した。
この日に合わせ母県から来伯した慶祝団は五十人。一般の参加者の中には、親戚や兄弟を訪ねた人、かつて滞在したブラジルを再訪した人もあった。
参加者の一人、橋村信義さん(69)は井上会長の高校時代の同級生。古川知事の叔父にあたる。「赤道を越えたのは初めて」という橋村さん。「こっちの人の活躍に驚いています」と、大勢の人でにぎわう祝賀会場で語った。
式典終了後、午後からは記念祝賀会が行われた。来賓一同による鏡割り、ケーキカットに続いて、島の江さんの音頭で一同乾杯。
記念のアトラクションでは日本の歌やコーラス、県人会婦人部、九州ブロックの各県人会による踊りなどのほか、慶祝団による出し物も披露された。最後のサンバショーでは古川知事も踊りの輪に加わり、会場は盛り上がった。