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コラム 樹海

 日本のODAは財政難もあって減少の傾向にあるが、外国への支援は今も続いている。サンパウロなどでは無償の協力と支援の評判がよさそうだし地味な性格ながら人々に喜ばれているのがいい。こんな国際協力の一つに警察の交番がる。この制度は日本に独特なものらしく、インドネシアにも交番の設置や運営の方法を教えたりする手助けをしている▼サンパウロにも警察庁から二人が派遣され好評らしい。パウリスタ大通りには32もの交番があり市民からもお褒めの言葉を頂戴している。市の南部には治安のあまり良くない所があるけれども、そこにも交番を設けたところこれがまた大変な人気だそうだし、このまま根気強く続ければ必ずや立派な「我らが交番」に育つに違いない▼日本には交番が4655か所もあり防犯や犯罪捜査の「小さな基地」とし大活躍している。町の住民らとの交流も盛んで寒い冬の朝などに「町内のお婆ちゃんが、熱いみそ汁を交番のお巡りさんに届けた」のニュースが新聞を飾ったりもする。サンパウロ市南部に派遣されている警官の人柄がいいらしく、町の人々と家族との団欒にも呼ばれたりの交際を広げているが、これが「市民と共にある警察」の理想の姿と見たい▼日本は世界で一番安全な国とされるが、これには多くの要因があるけれども、交番の力が大きい。情報や町民たちと警察官の友情関係が、犯罪の捜査に威力を発揮するし、窃盗を防いだりもする。今は唯々―サンパウロの交番よ育て―である。   (遯)

05/8/2