2005年8月3日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七月五日】ブラジル最大のファッション・イベントであるサンパウロ・ファッションウイークは、成功裡に閉幕した。同イベントは、成功が有名店の専売でないことを証明。イベントに参加した数多の零細企業が新時代の新企画を公開し、ベンチャーの底力とマザーズマネーの台頭を見せつけた。
例えばカフェ・ジュルナルは東西南北、各地域の客層のニーズに相応しいメニューを考案した。カーザ・ピッツアは、新しいスタイルの接客法を編み出した。踊り疲れた人たちに疲労回復を提供するムラオカは、日系ホテル投宿客の指圧から転じ、いまは各地にリラックス・ネットを展開している。
成功が時代の流れに乗ることなら、現在の流れはベンチャー・バブルといえそうだ。無名のベンチャー零細企業の立役者は、二十代や三十代の若い世代が主役。常識を覆し、着々と収益を上げている。従来の尺度でものを見ると、時代に乗り遅れそうだ。
経営哲学や採算基点は、時代によって変化するらしい。経済のルールも時代とともに変化し、有利不利の概念も変わる。自分の経営する会社が利益を社会に還元できるかに、企業の運命がかかっているらしい。
現代の所得二極化現象は著しい。若者のベンチャーによる新しい市場が形成されている。ベンチャーの資金源マザーズ市場は、本業は儲からないと知っている。本業の横道にチャンスがあるという。