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大統領迎え45周年祝う=パラグアイ・ピラポ移住地=記念行事華々しく=文化センター落成

2005年8月5日(金)

 【パラグアイ・ピラポ発=堀江剛史記者】移住四十五周年式典はピラポ晴れ――。普段は寒さが厳しい八月のピラポだが、二日に移住地挙げて行なわれた今回の大イベントは快晴に恵まれた。ニカノル・ドゥアルテ大統領を初めとする内外からの来賓を迎え、華々しく記念祭もスタート。文化スポーツセンターの落成式や相撲の模範試合が来場者の目を楽しませた。七日まで関連事業が行われる。
 式典に先立ち、共同霊園に立つ拓魂碑の前で慰霊祭が行われた。高橋利弘日本国特命全権大使やJICA・パララグアイ事務所の斎藤寛志所長も出席、献花後、追悼の辞を述べた。
 四十五年前の今日、高知県からの二十六家族の移住により、その歴史が始まっている。
 ピラポ日本人会の水本凉一会長は移住の経緯を話したうえで「三百三十四柱の人々の苦労を忘れない」と哀悼の辞を述べた。
 遺族者代表として、山下光政氏が「亡くなった開拓者たちは守護神となってピラポを見守ってくれると思う」と話した。
 午前十一時から市役所体育館で式典が執り行われた。会場には内外からの来賓を含め、約千人が参集、ピラポ入植を祝った。
 永見アンドレス市長は日本人移住の歴史に触れ、「文化センターなどの建設に各界からの協力があった」と報告、来賓に感謝の意を述べた。
 高橋大使は「ピラポが全国にその名を知られる移住地となるまでに、移住者が味わった苦労は筆舌に尽くせない」とし、「パラグアイはラテンアメリカ諸国中、日本の一番の友人」と位置づけた。さらに「今日の日パ関係は、移住者がその先鞭をつけた」と評価したうえで、パラグアイ政府と国民に感謝の意を述べた。
 その後、一行は日本人会に向かい、約三十の農機具業者が出品、日本、ドイツ、パラグアイ各国料理が楽しめる屋台もある「EXPO・PIRAPO」を視察した。
 南米一の誉れも高いピラポ土俵で行われた「模範相撲試合」にはやんやの喝采が送られ、ドゥアルテ大統領もにこやかな表情で、力士たちを見守っていた。
 日本人会の敷地内に建設された文化・スポーツセンターのテープカット後、センター内で祝賀会が行われた。二千六百平米でサッカーなどの競技やイベントなどに活用。地下には宿泊施設が建設される予定。
 ピラポ在住の三世の女性は「今まで市の施設を使っていたので、便利になります」と笑顔で話していた。
 記念祭典は七日まで行われる。歌謡ショーやブラジルのユババレー公演のほか、南米相撲選手権、国際親善相撲大会など様々な行事が予定されている。