2005年8月9日(火)
ブラジル日系老人クラブ連合会(重岡康人会長)は創立三十周年を迎えた。その記念式典が七日午前九時から、ブラジル日本文化協会記念講堂で盛大に行われた。日本全国老人クラブ連合会、全パラグアイ日系老人クラブ連合会からも関係者が参加。会場には約千人が訪れ、創立三十周年をともに祝った。
始めに佐々木陽明南米浄土宗開教総監が導師を努め、先没者慰霊法要を行った。
山本茂副会長の「三十年というめでたい祭典を行うことができて幸い。わざわざ日本からも式典にかけつけて花を添えて下さることに感謝します」との開式の辞により式典が始まった。
続いて、会場に集まった全員が手拍子をしながら同クラブの歌を元気いっぱいに斉唱。大いに盛り上がった。
重岡会長は「一九九二年に行われた日本全国老人クラブ三十周年記念式典で当クラブは特別に表彰された」と過去の歩みを説明し「今までの経験を活かし、よき文化を社会に伝達し親睦を深めたい」と挨拶した。
日本から参加した永井愛子全老連副会長は「ここに招待していただけることに感謝の意を表します」と話し、長尾立子会長の祝辞を代読。「高い志と熱意を持って歩んできた歴代役員に敬意を表する。二十一世紀は高齢者の世紀。積極的な活動参加により地域社会が活発になることは明らかだ。健康、友好・奉仕を柱に創造と連帯の輪を広げていきたい」と述べた。また、日本国厚生労働大臣メッセージを齊藤秀樹全老連事務局長が代読した。
表彰式ではサンパウロ市議会より今村幸医師へ表彰状を授与。また、事務局の上原玲子局長、金藤泰子さんにも功労賞が授与された。外部功労者代表として水本すみ子さんは「功労者の中に入れていただきまことに恐縮です。老人なのに皆さんの青年の活動に驚くばかりです」。朝枝定さんは「心からお礼、感謝を申し上げます」と内部功労者代表として謝辞を述べた。
内海博副会長は三十年の歩みを発表。一九七〇年九月にサンパウロ日伯援護協会が、日系コロニアの老人福祉に対する配慮として老人週間が催されたことが契機となり、老人福祉に新しい火が灯された。以後、老人クラブ指導者講習会を開催。一九七五年に同会が結成されるまでの活動を説明した。
また、「この式典を第一歩として、次の世代に何を残し、何をしなければならないかを考えることも大切。老後の安心を勝ち取るための努力、精進、結束を誓おうではありませんか」と呼びかけた。
石田完パラグアイ老ク連副会長は「去年当クラブは二十周年を迎えた。その時ブラジルからもたくさん参加して頂いた。心からお祝い申し上げます」と感謝の辞を述べた。
その後、植松紀子百歳万歳社代表取締役編集長による講演が行われた。テーマは「いつでも青春」。「老人クラブで皆の花を咲かせてください。そうしたらもっと明るいクラブになるのではないかと思います」と話した。
午後からは特別ショーが開催され、日本からは二度目の来伯となる歌手のSORAKOさんが出演。シャンソン、昭和のヒット曲、日本の唱歌を披露した。「こんなにたくさんの人の前で歌うのは初めて。こちらの人は人情がまだまだある。パワーを貰える」と喜びを表した。また、日本のフリーアナウンサー・向井ひろこさんが絵本の読み語りを行った。
最後は老ク連・コーラス部、踊り部、カラオケ部の踊り子百人が花飾りを持って会場を華やかに彩った。その内の一人、多川富貴子さんは「こんなに気持ちがひとつになって踊ることはない」と笑顔で話した。