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裏金捻出の仕組みとは?=監視の甘いミナス州狙ったPT

2005年8月10日(水)

 【ヴェージャ誌一九一五号】広告業者ヴァレーリオ氏が裏金やPT議員の小遣いを捻出した錬金術とは、どんな仕組みであったのか。ヴァレーリオ研究所は三課からなる。入金課とプロセス課、出納課である。
 入金課は公社や民間企業の裏金支払い課に吸着する。それから、捜査段階なので実体は解明されていないが、大口資金、大規模ダミー会社の集団からの入金もある。
 錬金術師ヴァレーリオ氏の考案したシステムは、ガラクタを組み合わせたもの。まずミナス銀行で種銭をつくり、ルラル銀行の聞いたこともない支店を抱き込み、PTのボンボン財務担当をたらし込んだ。これで大規模なシステムを組み立てる材料が揃った。
 看板の広告業は申し訳程度の営業をした。今のところ与党の労働者党(PT)が最大顧客だが、政権交代に備えて天下を取りそうな政党へ渡りをつけて置く事に抜かりはない。いつの時代でも世界中に敵味方に関係なく、権力者に取り入る人間はいた。
 手始めに郵便局やエレトロノルテなど公社から裏金をまき上げ、隠れミノのルラル銀行やミナス銀行を窓口に政治家へバラまいた。年金生活者相手の金貸し業を営んでいたミナス銀行は、政府の大金が流れ込むと読んでヴァレーリオ氏に協力した。金融法で禁じられている金融取引である。
 ルラル銀行は旧パラナ銀行と同様、違法送金などで糊口をしのぐ地下銀行みたいな銀行。両行とも、連邦警察と国税庁、中央銀行の俎上に上がる。PTも政治資金の捻出に監視の甘いミナス州を狙っていた。
 ヴァレーリオ氏はPTの一部幹部の支援で、次々に公共機関と広報業務契約を結び、契約書を担保に銀行から融資を取り付けた。業務契約と銀行融資は益々増えた。業務契約は融資を取り付ける形式的な空契約となっていった。この融資は最終的に誰が決済するのだろうか。