2005年8月10日(水)
さとうきびの試験栽培が、バイーア州西部とゴイアス州境で開始された。同地域は中央西部の気候に似て、綿と穀類栽培が主産物であった。気候にあった新品種さとうきびの試作も行われている。同地域の穀類栽培者はエタノールが内外市場で注目を浴びていることで、試作の行方を見守っている。またバイーア州バーラ郡でも、かんがい方式によるさとうきび栽培の試作を十四社が共同で始めた。サンフランシスコ川支流のリオ・グランデ川から水をひいた。試作はかんがいにかかる費用を相殺して採算が取れるかという挑戦だ。これまでの自然栽培では、ヘクタール当りのさとうきび収穫量は八〇トンであった。それがかんがいをすると、一六七トンに増量する見込み。
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ブラジルを中心とする中南米バナナ生産国が五日、世界貿易機関(WTO)を通じてバナナ輸入国のEUと関税交渉を始めた。EUはアフリカやカリブ地域、太平洋諸国の旧植民地(ACP)保護のため差別関税を課していた。これを一律関税にするとアフリカなどのACPが大きな打撃を受ける。ACPを六六ユーロに、南米産を七五ユーロ案もあるが、それでもACPは厳しいという。バナナ戦争は歴史が古く、何度も話あったが妙案が出なかった。
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日本のエネルギー公団NEDOは四日、サンパウロ市でロドリゲス農相とエタノール輸入について会談した。目的はガソリンへのエタノール混入ではなく、大量供給と品質管理の保障であった。日本政府はフレックス燃料計画で日本側の要求する基礎条件の確認をブラジル政府に求めた。計画が実施となった場合の日本製車両へのフレックス燃料が及ぼす影響も検討した。エタノールの輸送問題も重要である。過去の経験でエタノール専用船がブラジルの港に着岸して日本で降ろすまで四〇日間かかったことがある。もし日本でガソリンの三%分のエタノールを混入すると、一八億リットルのエタノールが必要になる。日本のエタノール輸入量は五億リットル、三億五〇〇〇万リットルをブラジルから輸入し、飲料と薬品に使用している。