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移民の「母なる県」から知事ら=兵庫県人会45周年を祝う

2005年8月10日(水)

 創立四十五周年を迎えたブラジル兵庫県人会(尾西貞夫会長)。記念式典を七日午前十時から宮城県人会会館で開催した。日本からは井戸敏三知事ら慶祝団が訪れた。六日に来伯した同県六校の農業高校研修生十二人も参加。サンバを式典参加者と踊るなど楽しい雰囲気に包まれた会となった。
 尾西会長は「ブラジルと兵庫県のつながりは一九〇八年にまで遡る。笠戸丸が神戸港を出発。幾多の移住者がこの港に別れを告げて希望の大地を目指した。それから考えると、神戸港を擁する兵庫県は海外移住者の『母なる県』と言ってもいいでしょう」と話し、「県民の皆様のご健勝、ブラジル兵庫県人会のますますの発展を祈念します」と挨拶した。
 また、同会創立四十五周年、第一回県費留学生派遣から四十年を記念して作成された『日伯交流の架け橋』と題した本についても触れた。これは兵庫県県費留学生、技術研修員OBの感想文をまとめたもの。四十五人が執筆した。その他には同会活動記事、阪神大震災の写真も併載している。
 井戸知事は「四十五周年のお祝いが盛大に行えることに心からお喜び申し上げます。四十五年という月日は、苦労も多かったと思われる。長かったのか短かったのか、それぞれ感慨深いことと思う。県人会に敬意を表します。五十、七十、百年と、記念式典ができることを期待しています」と挨拶、「二〇〇八年には旧神戸移民収容所に国立海外日系人会館、に向けて動き出している」と移民百周年に向けての企画も発表した。
 また、井戸知事は三年間、宮城県で働いたことがある。その当時の山本壮一郎宮城県知事が兵庫県の加古川出身であり、お世話になったことから「併せて感謝します」と謝辞を述べた。
 続いて日伯友好兵庫県会議員連盟の永田秀一事務局長、在サンパウロ日本国総領事館の丸橋次郎首席総領事らが挨拶。尾西会長と二十年来の付き合いだというロメウ・ツマ連邦上院議員もかけつけ、祝辞を述べた。
 中沢宏一ブラジル日本都道府県人会連合会会長は「昨年は旧移民収容所を訪れた。移民坂を降りながら移民の皆様の努力、また気持ちを思い浮かべて感無量だった」と話し、「移民百周年に向けて兵庫県人会の活躍に期待しています」と述べた。
 上原幸啓ブラジル日本文化協会会長は「私は神戸と深い関係がある。昭和十一年に沖縄から神戸に渡り、サントス丸で渡伯した」と回顧し、「現在勤めているサンパウロ大学と六甲山も深い関係がある。日本は土石流の研究が進んでいるので教授と六甲山に行って研究したことがある」と話した。
 また、高齢者代表として西沢万寿吉さんに記念品および賞状が授与された。
 午後からは記念祝賀会が開かれ、ケーキカットが行われた。その後、農業研修生が「マツケンサンバ」を披露。先生も衣装をまとい、ステージに上がり会場からは手拍子が聞こえてきた。サンバ隊のショーも行われ、井戸知事を始め、会場へ訪れた人も衣装を着たダンサーらと一緒に踊り、大いに盛り上がった。