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児童の4人に1人は太り過ぎ=偏食、間食に運動不足=この推移すれば大問題に=サンパウロ市

2005年8月12日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】サンパウロ市の十歳から十五歳までの少年少女、いわゆるパウリスタっ子の四分の一が肥満あるいは平均体重を超過している。このまま成人すると内臓疾患をはじめ様々な病気に悩まされる懸念があり、関係者は警報を発している。この年代の下の幼児や児童にもこの傾向が表われていることも注目されている。
 サンパウロ連邦大学の主導のもとに各機関が協力し、サンパウロ市内四十四校の八千二十人を対象に調査した。内訳は六二・六一%が州立校、一二・一七%が私立校、二五・二二%が私立校だった。この結果、一〇%が肥満、一五%が平均体重を超えていた。研究グループによると一九七五年に調査を始めた時からその数は三倍になったという。
 原因としては偏食と不節制な食事時間が主だが、ファストフードの普及による家庭内の食事の変化も影響している。さらにテレビゲームなど屋内の娯楽が増えたことで、運動がともなわず食物の消化燃焼が不十分で、脂肪分が体内にたまる傾向にあると指摘している。いっぽうで昨今、治安が悪化して誘拐事件などが多発することで屋外を敬遠するなど、世相を反映しやむを得ない部分もあるとしている。
 しかし偏食は豊食(飽食)時代に入ってから顕著で、今回の調査では男子の八六%、女子の九二%が間食のおやつを常食としている。テレビのおやつ宣伝が多分に浸透している。さらに肥満児や体重過重児のほとんどは朝食(ミルク、パン、果物など)を抜いて登校している。このため授業終了時には体力を消耗し、心身ともに疲れ果てる結果となっている。
 また、私立校の八一%、公立校の六五%の児童が極度の運動不足に陥っていることからエネルギーの新陳代謝が停止している。これらの学校では、正課に体育がなく、学校で体を動かすのは十分程度となっている、研究グループはバレーやサッカーの激しい運動が最低三十分間は必要だと指摘している。
 今のところ肥満や体重過重は世界的平均の範囲内だが、このまま推移すると二〇四〇年には少年少女の三五%が、また児童の二五%から三〇%が肥満児となり大きな問題に発展するとみられている。ブラジル地理統計院(IBGE)の統計では、現在ブラジル人成人の四〇%は太り過ぎで、中でも三十五歳以上の七〇%は、いわゆるデブの仲間入りをしているという。