2005年8月12日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】サンパウロ市議会の主導で、昨年初めに手初めに開講したレストラン調理士の職業訓練所が好評を博している。レストラン学校と名付けられた訓練所では、将来のレストランのシェフを養成すべく料理の基本知識やマナーなどを教示している。その第一陣の一期生百八十人が卒業した。
訓練所は広く知られていなかったが、それでも口コミで五〇%が有名レストランに就職しており、その存在が知られるようになってからは連日市内のレストランから求人の申込みが殺到しているという。また卒業生のうち優秀な成績を収めた四人は来月から九カ月間、イタリアのミラノ市のホテル学校に留学することになった。ミラノ市の招待によるもので、発端は先程サンパウロ市議会を訪れたミラノ市議の一行が同訓練所を視察して感銘、交流の一環として決定したもの。選ばれた四人は降って湧いたようなプレゼントに大喜びだった。
訓練生のほとんどが深く考えずに応募したものだが、卒業時には将来のシェフに希望を燃やしている。有名レストランの調理場の下働きに就職した十九歳の男性は「料理は女の仕事と思っていた。目玉焼も作れなかったが、将来はシェフになる」と張り切っている。
この訓練所は市当局とNGO団体が主体となり、リヨン(フランス)、ジュネーブ(スイス)の賛助を受けている。サンパウロ市内のアニェンビ・モルンビ大学が食物や衛生学の講義を受け持っている。第一期生の卒業に気を良くした当局は、州政府と共同で、ランショネッテ(軽食)学校、カフェー学校、パダリーア(パン屋)学校を開設することを決定した。早ければ十月にも開講予定。