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違法と知りつつ資金を受領=郵便局CPI=メンドンサ氏が証言=バハマのタックスヘイブン利用=ヴァ氏証言と辻褄合わず白状

2005年8月13日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】二〇〇二年の大統領選でルーラ大統領のマーケティング担当を務めたドゥーダ・メンドンサ氏は十一日、契約金の約半分をタックスヘイブンのバハマで、違法送金された資金を領収証も発行せずに広告業者のヴァレーリオ氏から受け取ったと郵便局CPI(議会調査委員会)で証言した。同氏の契約額は二五〇〇万レアル、受取り金額は一〇五〇万レアル。違法取引と知りつつ容認したことを証言。野党は大統領弾劾の構成要素は十分であると、手続きの検討を表明した。
 メンドンサ氏の証言が郵便局CPIの山場と思われる。大統領選挙の終わった〇三年、契約金は裏金から払えないので、タックスヘイブンの違法資金による支払いをヴァレーリオ氏から示唆されたという。同氏はキレイゴトばかり言っていられないので、違法と知りつつ受け取ったとCPIで証言した。
 ヴァレーリオ氏は領収証の発行を差し止め、足跡を残さないことにした。メンドンサ氏は、十日まではヴァレーリオ氏との関係を否認したが、ヴァレーリオ氏の証言と辻褄が合わなくなったためついに白状した。野党は言質を得たことを認めた。
 大統領やジェノイーノ前党首、ベネジッタ前上議、メルカダンテ上議、サンパウロ市とメンドンサ氏の間で交わされた数々のマーケティング契約の決済で、外国にある違法資金の実態が明るみに出された。野党は外国資金を、追跡を避けるための大統領の私的行為とみている。
 大統領と違法資金の関係を追及する野党の執拗な質問で、同氏は舞台裏を明かした。大統領の当選確実が決まった時点で、同氏は残金の支払いを前財務担当に請求した。資金枯渇のため同担当は、頭痛の種をヴァレーリオ氏に押し付けた。資金繰りに窮した同氏は、外国の違法資金を使った。
 メンドンサ氏は、ボストン銀行から提供されたラランジャ(名義賃貸人)の口座番号をヴァレーリオ氏に渡した。世界中の数々の銀行から、メンドンサ氏のラランジャの口座へ入金が行われた。それを、バハマにあるメンドンサ氏のPT関係口座へ振り替えた。
 ジルセウ下議とジェフェルソン下議のCPI対決で、前官房長官が「連邦警察はブラジル社会民主党(PSDB)の縄張りだから、大統領選前に為替業者六十二人に外国の違法資金について吐かせ、その資金を外国に釘付けにした」と証言した。このジルセウ証言が、メンドンサ証言で裏付けられた。当時違法資金が足止めされたので、国内で決済できないPT債務は外国で決済した。時期と事件がそれに合致する。
 メンドンサ氏はドン底から叩き上げた立志伝中の人物だが小心者だから、ウソで物事を塗り固めるタイプではない。これまで築き上げた同氏の財産は、すべて汗と涙の結晶だった。同氏が横道へ逸れたのは、PTにその才能を見込まれ政治に関わってからであった。
 同氏は「CPI召喚は、自分の上に災厄が臨んだことと推察できる。全てを白状するが、過ちがあるならそれは手続き上のことで道徳上のことではない。名誉も褒美も要らない。私の名誉は私の家族である」と証言した。証言スタイルは叩き上げタイプ特有で、ルーラ大統領と似ている。