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汚職について国民に謝罪=ルーラ大統領=「自分は裏切られた思い」

2005年8月13日(土)

 【エスタドン、フォーリャオンライン十二日】ルーラ大統領は十二日朝、開始したばかりの閣議を中断し、現在の政治危機について初めての公式見解を発表した。大統領の発表はテレビとラジオで生中継された。
 最近の演説とは違って、力ない様子と低く重い声で大統領は手短に発表を行った。「決して知るよしもなかった、受け入れ難い行為により自分は裏切られた思いがする。国を揺るがす新事実が日々明らかになることに憤りを感じる。国民の皆さんが憤りを感じていることも承知している」と、不正行為を全く関知していなかった点を大統領は強調した。
 「我々はブラジル国民に謝罪しなければならないと述べることに後ろめたさを全く感じないと私は国民に言いたい。労働者党(PT)は謝罪しなければならない。強い経済力と公正な所得分配の実現を望み、ブラジルが現在置かれている状況に満足できない国民に対し、政府は謝罪しなければならない」と大統領は述べ、PTをめぐる汚職について国民に謝罪した。
 また大統領は経常黒字やインフレ抑制、投資環境の改善といったプラスの経済指標を引用しつつ、国が現在良い方向に向かっているとし、新規雇用の拡大など低所得層の国民が現政権の政策の恩恵を受けてきたことを強調した。さらに、現政権が汚職撲滅に取り組んでいることを示すために、大統領は連邦警察が告発された内容すべてを捜査していると述べた。
 大統領の発表した内容はひきょうかつ無責任なもので、政局をさらに悪化させたと野党上議らは大統領への攻勢を強めている。発表直後にジェンロPT党首は大統領は今辞任するときではなく、党員も党に留まり汚職の調査に協力するよう求めた。