2005年8月16日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十四日】ブラジル経済におけるシャムの双生児、脱税と裏帳簿は二〇〇一年以降、増加の一途をたどっている。ブラジル税制企画院(IBPT)脱税の研究に基づいた推測によると、〇一年に五八七七億レアルだったブラジル企業の裏帳簿は、〇四年に一兆二八〇億レアルに達したという。
〇一年の脱税総額が一四四六億レアル(徴収された税金総額の三一%)だったのに対し、〇四年のそれは一九一七億四〇〇〇万レアル(同三九・二七%)へと増加した。〇四年に国内企業の二九・四五%が何らかの脱税を行ったとされる。〇一年は二七・五三%だった。脱税は、商業部門、小企業、非正規営業を行う企業に多く、脱税される税金は社会保険料、所得税、商品流通サービス税に多い。
「ブラジルはカルナバル、フッチボール、裏帳簿の国」と話す、元ブラジル銀行連盟(Febraban)理事で弁護士のスタイネル氏は、裏帳簿は脱税だけでなく、商売上の利益を得るため支払われる政治家、公務員などへの賄賂捻出にも使われるとコメントした。ブラジルで汚職が慢性的問題となるのは、検察庁が脱税を告発しても、脱税分を支払えば刑事告訴が取り下げられるという、脱税者が罰を逃れるシステムがあるからだという。
ブラジルの税負担は、国内総生産に占める割合が八七年の二〇・三%から〇四年には三六・八%へと上昇し、日本(二五・八%)、米国(二五・四%)のそれを上回っている。