2005年8月16日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】サンパウロ市北部のファベーラ(スラム街)ザキ・ナルシで十一日深夜、火災が発生、百軒のバラックが延焼し三百五十人が焼け出された。火の回りが速く、住民は逃げるのが精一杯で家財道具もほとんど運び出せなかった。
幸いにも気分が悪くなった女性一人が病院に収容された以外にケガ人は出なかった。火災は三十九台の消防車に分乗した消防士九十五人が消火にあたり、十二日午前二時半頃に鎮火した。延焼は一千平米の面積に及び、ファベーラの火災では二〇〇〇年以降発生した六件のうち、二〇〇二年の被災二百軒、一千人に次ぐものとなった。
警察と消防で原因を調査中だが、住民の証言には諸説ある。ある夫婦がケンカをして妻が腹いせに火を放ったとか、ガス栓がゆるんで引火したとか、不法配線による漏電などが挙げられている。被災者らは近くのクラブに設置された避難所に収容された後、各所の市営住宅が割り当てられる。市ではこのファベーラの取り壊しを計画していた。