2005年8月17日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十六日】連邦警察は十五日、米国にあるドゥーダ・メンドンサ氏がオーナーであるデュッセルドルフ社の資産凍結を最高裁へ申請した。同社は、ルーラ大統領の二〇〇二年選挙戦でマーケティングを担当したメンドンサ氏が報酬を裏金から受け取るために、広告業者ヴァレーリオ氏の指示でバハマに設立した現地法人である。連警は同社口座へ振り込んだ八口座の開示も要請し、送金者と取引の開始時期も調べる。最高裁は検事総長の意見を待って申請受理を裁決する。
メンドンサ氏の外国資産凍結は、最高裁で裏金疑惑を審理するバルボーザ判事に連警が具申した措置の一部分である。措置の手続きは国際間にまたがるため、法務省資産回収局と外国の法務当局を煩わすことになる。
連警は同判事に、デュッセルドルフ社の口座に入金した八口座、デール・フィナンシアル社とトレード・リンク銀行、ルラル・インターナショナル銀行、ラジアル・インタープライス社、カントン・ビジネス社、ヨーロッパ・ルラル銀行、SMインポート社、SMカメックス社の開示許可も申請した。
郵便局CPI(議会調査委員会)でメンドンサ氏は、ボストン銀行の指導でバハマにオフショア(資産運用業務)を行うデュッセルドルフ社を設立したことを認めた。オフショア口座は、選挙活動の報酬を受け取るため、ヴァレーリオ氏の提言で開設したという。
ヴァレーリオ氏は、メンドンサ氏自身が海外決済を希望したという。メンドンサ氏は〇二年、ルーラ氏とジェノイーノ氏、メルカダンテ氏、ベネジッタ氏の選挙活動費合わせて二五〇〇万レアル、PTのマーケティング七三〇万レアル、新契約として二四七〇万レアルの債権を有す。
連警はメンドンサ氏の外国での資産運用は最近始まったことではないとみている。政界で同氏の知己は広く、選挙の度に活動費を裏金で決済していたようだ。
メンドンサ・システムは、選挙活動費の支払いを外国のボストン銀行へ入金させ、MTB銀行のアガタ・オフショア社の口座で運用していた。アガタ社はブラジル人が経営し、英領バージン諸島に本店がある。
検察庁と連邦警察は会合を開き、違法決済の最高裁への提訴の段取りを打ち合わせた。第一歩として検事総長が連警の捜査期間の延長許可を最高裁に申請する。申請書には郵便局CPIと連警が共通のデータバンクを有するとある。疑惑者の口座開示の申請手続きも含み、裁判所の許可がなくてもCPIは独自裁決を許されるともある。
疑問点はまだある。大統領の選挙費支払いは合法的に行われたか。ヴァレーリオ氏はPT債務決済のための銀行融資をなぜ海外へ送金したか。メンドンサ氏は債務決済のため海外決済を容認したのに、なぜ現在もデュッセルドルフの口座に残高があるのか。オフショアの共同出資者氏名をなぜ明かさないのか。ヴァレーリオ氏がメンドウサ氏に支払った資金はブラジルから送金したのか、すでに以前から存在していたのか。