2005年8月17日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七月十四日】経済学に「パーキンソンの法則」というのがある。ノースコット・パーキンソン博士が五七年に発表したもので、下らない問題ほど時間をかけて慎重に討議するという説。
会議に出すのはお茶かコーヒーかで全員が意見を述べる。来年度事業計画では予算を九億レアルにするか八億レアルにするか議論すると、君らに任すから適当にやれとなる。
内閣改造も三十三省を三十省へ、たったの一〇%縮小するという話もそれに似ている。中銀総裁の閣僚扱いは専用車が大型になっただけだ。首都の省庁は省も庁も外観が同じだから、色を分けようという。
政治家も国民も職員の多い省が重要な省と思っている。パーキンソン博士は、英国政府の依頼で公務員の無駄を分析した。大英帝国の崩壊理由は、植民地政策のために多数の無用職員を採用したためと分かった。
同博士は興味ある発見をした。軍事作戦で将軍が多いほど、戦死者が多いこと。管理部門は職員数が多いほど仕事も増える。上司は部下が多いほど地位が高いと思っている。特にライバルがいると、その傾向は強い。上司は飯炊きのために飯炊きを雇う。
大統領は、支持票を獲得するために不要な省庁を創る。組閣当時は全閣僚がゴマを擦り、点数を稼ぐ。時間の経過とともに閑職に回された閣僚は、爆弾を集めて敵方へ回る。
内閣改造を間違えると、大臣補佐が増え、不祥事も増える。初閣議を開けば,意見が色々出て仕事は増える。しかし,結果は無駄なものばかりだ。五七年に十一人だった閣僚は、五十年後には三十人に増えた。
三十人以上の閣僚を抱えた政府は、社会主義の独裁政権だけであった。結局これらの国は自国経済を破綻へ追い込んだ。パーキンソン博士は、三十人以上が出席する会議は非能率的だから、二十人以下にせよという。