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農事試験場の挑戦続く=農村生活改善からゲノム工学まで

2005年8月17日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙七月十七日】熱帯農業でお馴染みの国立農事試験場(EMBRAPA)は二〇〇五年下半期に予算管理省と財務省共催で農村生活改善プログラムを実施する。
 テーマは農村電化やバイオ、ナノテクノロジー、気象対策、農業技術革新など。EMBRAPAは来る三年間に全職員の一五%に当たる千三百人が定年退職をする。さらに毎年七%が希望退職で去り、人材流出に悩んでいる。
 大学卒の農業技師は初任給が三五〇〇レアル、専門コースの二十研修を経ると一万レアルに調整される。修士課程で初任給が四五〇〇レアル、研修後一万三〇〇〇レアルに調整。
 EMBRAPAは過去三十年間に穀物生産をヘクタール当り一二八〇キロから二九〇〇キロへと倍増させた。牛や豚、鶏の生産は六倍、牛乳は七五億リットルを二二〇億リットルへ。
 この成果からEMBRAPAは、北東部地域と北部地域に豊かな太陽光を生かした黄金の革命を計画している。大豆と果物、綿ではすでに成果を挙げた。熱帯向けの新品種をゲノム工学によって作成する。
 注目は、ヒマやデンデ、ヤシ、ペキなど油脂植物の栽培による持続可能なエネルギー産業の勃興を目指す。品種改良のための資金捻出で〇五年、基金の設定も行う。EMBRAPAが挑戦するもう一つの分野は、混合燃料の技術とエネルギー回廊だ。回廊はマット・グロッソ州からトカンチンス州、マラニョン州をつなぐ。