2005年8月18日(木)
〇八年の百周年を前に日系社会と交流したい――。日本のロックバンド「ザ・ブーム」のリーダー、宮沢和史さんが今年十月、サンパウロ、ロンドリーナでライブを行う。昨年のサンパウロ市公演では七百席が完売、他ミュージシャンとの共演も反響を呼んだ。「今回は単独ライブなので、長く出来ると思う。ぜひ、みなさんに来てもらいたい」と宮沢さんは話している。
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来伯は二十回以上という音楽界きってのブラキチである宮沢さん。今まで、サンパウロやリオ、サルヴァドールでライブを行ってきたが、このたび日系人の多いロンドリーナを会場に選んだ。
宮沢さんが所属する音楽事務所、ファイブ・ディーの三好伸一常務取締役は、「前回のライブでも客席の半数を日系人が占めた。彼らがブラジル社会へ日本の音楽を紹介するキーパーソンになると思う」と日系社会との繋がりを重視。
今回ロンドリーナを訪れ、地元日系グループ「グルーポ三世」のメンバーとも調整を行い、「彼らが独自で作ったダンスにも島唄が使われていることもあって非常に反応は良かった」と話す。
百周年を記念するテーマソング作曲に関して宮沢さんは、「(移民の歴史や日系社会を)勉強する必要があると思う」と控えめに答えながらも、「百周年に何か出来れば」と意気込みを見せる。
ブラジルだけでなく、沖縄も宮沢さんにとって、思い入れの強い場所。ブラジルでも人気の「島唄」は、アルゼンチンや中国、ヨーロッパなど国境を越えて歌われる大ヒット曲ともなっている。
三好取締役は、「これからは、ブラジル沖縄社会とも関係を強めていければ」とその希望を話す。
同十月には、ホンデュラスやニカラグア、メキシコ、キューバなどの中米ツアーが決定していたが、「ブラジルでもやりたい」と宮沢さんの願いが今回の公演に繋がった。
ブラジル、そして日系社会への熱い思いが詰まった今回のコンサート、「島唄」の新バージョンも披露される予定だ。
公演に協力するブンバの細川多美子編集長は「みんなで楽しく盛り上げ、いい形で百周年に繋がっていけば」と話している。
宮沢和史単独ライブの会場には、ロンドリーナのテアトロ・オウロ・ヴェルデ(二日)、サンパウロのSESCヴィラ・マリアーナ(六日)が予定されている。