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資金洗浄でブラッチ逮捕=財務相の元右腕=検察、証拠隠滅阻止に踏み切る=サンパウロ州地方行政とPTの取り持ち役

2005年8月19日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】パロッシ財務相のリベイロン・プレット市長時代に行政課長を務めたロジェリオ・R・ブラッチが十七日、資金洗浄と犯罪組織の構築、証拠隠滅の容疑で逮捕された。市のゴミ回収に関する入札で不正があったとするサンパウロ州検察局の召喚が終了した直後、身柄を拘束された。同時に不動産仲介業者マウアジも拘束された。両人の通話は全て、サンパウロ州検察局によって盗聴されていた。労働者党(PT)包囲網は、ついに財務相の身辺にも及んだようだ。
 逮捕状は、路線バス会社と農場の売買に関する件で出された。サンパウロ州検察局は電話の盗聴から、ブラッチが証拠隠滅を図る恐れがあるとして逮捕に踏み切った。サンパウロ州地方都市サンジョアキン・ダ・バーラで不動産業を営むマウアジも逮捕、リベイロン・プレット拘置所へ送られた。
 八月から盗聴されていたマウアジの電話は十七日、証拠隠滅の可能性が生じた。調書には、財務省金融審議会(COAF)の告発書も添えられた。検察局の検察官は十六日、マウアジの自宅を捜索し、農場の地権書類多数を押収した。
 この地権書類でブラッチが、過去二年間に農場を三カ所も購入したことが判明。他にランシャリアとプレシデンテ・ヴェンセスラウの両市にある路線バス会社エクスプレスを、二社購入した。
 検察官の話によれば、ブラッチはイトゥヴェラバの農場を二八万レアルで、ペドルグーリョの農場を六〇万レアルで、ブリチゼイロの農場を一二〇万レアルで購入。バス会社は二六〇万レアルで購入した。検察局は購入金額が全て水増しされているという。
 検察局は、全ての取引が資金洗浄のための隠れミノだったとみている。バス会社購入は農場購入よりも資金洗浄に都合がよい。通勤バスで動く料金は合法化手続きが不要で、資金洗浄のために存在する御あつらえ向きの営業種目といえる。
 検察局はブラッチ・コネクションの関与者がさらに多数いるとみている。ゴミ回収の不正入札取り調べに対し、ブラッチは所有資産が一二〇万レアルと答えた。逮捕後に所有資産がウナギのぼりに増えた。
 すでに判明した三農場の他に、カタロンにも農場が浮上した。また牛や大豆の取引にも手を出していた。検察局は農場購入資金の出所も調べる。
 ブラッチは一九九二年、オザスコからリベイロン・プレットへ流れ着いたときポンコツに乗っていた。まず手始めにパロッシ氏の選挙運動を手伝った。その後PTの創立にも参加、ジルセウ下議やクーニャ前下院議長にも取り入り、知己を得た。
 一期目のパロッシ市政で、ブラッチは右腕として市行政を仕切った。在任当時、市下請け企業からのリベート疑惑で更迭され下野。公務員養成コースや地方都市行政のコンサルタント業を同市に設立した。
 ブラッチはレオン・グループを組織し、サンパウロ州地方都市の行政とPTを結ぶロビー活動を行い、キングメーカー的存在となった。現在はベロ・オリゾンテ市に住み、ミナス・ジェライス州へ縄張りを広げた。大将射らば馬を射れというなら、PT最後の馬と言えそうだ。