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基本金利は据え置き=中銀の頑迷な方針に不満噴出

2005年8月19日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】通貨政策委員会(COPOM)の月例会議での決定を受けて中銀は十七日、基本金利(SELIC)を現行通り据え置くと発表した。年利一九・七五%の現状維持は五月以来三カ月目で、史上では二〇〇三年十月の二〇%に次ぐ高金利となっている。
 この措置は金融界では予測されていたもので冷静に受け止められているが、一部では不満が噴出している。不満の理由として、過去数カ月間、卸売物価指数や消費者物価指数がデフレ現象を示していることが指摘されている。関係筋は、金利高のために商店や工業の在庫が増加しているため、デフレを加味して中銀はSELICを〇・二五%なり〇・五%引き下げるのが肝要だとしている。
 この位の引き下げでは実質金利(SELICからインフレ率を差引いた)と消費者金利に対する効果は出ないものの、今後の傾向を示すことで消費者は安心して財布のひもをゆるめ、購買意欲が上昇するという心理的効果が出てくると指摘している。
 これに反し頑なな態度を維持しているCOPOMに対し不信感はもとより、その存在に疑問を投げる向きもある。さらに不安材料は世界的原油の高騰と、政局スキャンダルの二点しか当面考えられないが、この解決を待っていたら年内の金利引き下げはおぼつかないと決めつけている。
 サンパウロ州工業連盟のスカフ会長は、経済成長の足がかりをまたもCOPOMがつぶしたとした上で、政局が混乱している今だからこそ経済界が活気を見せて混乱を乗り切るべきなのに、COPOMの頑迷な方針が理解できないとしている。さらにSELICの現行維持で実質金利はさらに上昇し、もはや世界最高を通り越して世界記録をどこまで更新するか、注目に値すると突き放した見方を示した。