2005年8月19日(金)
サンパウロ―東京間の定期便を運行するヴァリグ航空は、太平洋区間のロス―東京間を廃止する意向を明らかにした。しかし未確認ながら太平洋路線を全日空が運航することで存続が可能となる。サンパウロ―東京路線は、三十七年の歴史があり、日本からの企業進出ラッシュにともない一時は満席状態が続き花形路線と言われた。その後もブラジル人の出稼ぎブームで盛況を極めた。しかし二〇〇一年九月の同時多発テロ以降、乗客が激減。さらにアメリカがビザ発給を締めつけた影響で採算割れとなった。いっぽうでヴァリグ航空の経営も悪化、存亡の危機に立たされていることで今回の決定となった。同社では来年のドイツでのサッカーW杯を利用し、サンパウロ―ドイツ―日本への路線(ルフトハンザと提携)も検討中。
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サンパウロ市内のタクシーが乗客を乗せている限り自由にバス車線を走行できることになった。これまでは条件付きだったが、十五日から全面解禁となった。ただし十一月十五日までの試験期間中に問題が生じなければ本格実施となる。タクシーは乗客の有無を監視できるように、遮断フィルムを使用した窓ガラスは禁止となる。関係者はこれにより、タクシーのスピードアップ、低料金に加え市内の渋滞緩和を期待している。
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借金の不払いが貧困層の集中する地区に限らず、高所得層にも、それなりに多く見られることが、サンパウロ州商業連盟の初の調査で明らかになった。たとえばピニェイロス区の住民平均所得は三七二レアルで、サンミゲル区は一〇二三レアルだが、債務不履行は四倍となっている。高所得者は車の月賦など高額の借金も多く家計も四苦八苦している証しだという。十五地区のうち人口が多い所は債務不履行も多い。サント・アマーロ区はトップで全体の二〇%、最低はラッパ区の一・六%、一年間の推移で見ると、ピリトゥーバ区が一〇・四%、ピニェイロス(八・四%)、ビラマリア(八・七%)、ブタンタン(八・七%)がそれぞれ上昇した。