Sアンドレ元市長殺害=CPI、実兄を召喚=「殺害は口封じ」=汚職に当時のジルセウ党首関与か=市長室から告発文書消える
2005年8月20日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】ビンゴCPI(議会調査委員会)は十八日、殺害されたサント・アンドレ元市長の実兄ジョアン・F・ダニエル氏を証言のために召喚した。トゥーマ上議(自由前線党=PFL)は、労働者党(PT)候補者への選挙資金捻出のため賭博業者が前市長を恐喝し殺害したとする告発の説明を求めるため同氏を呼んだ。同上議の話によれば、同市に作られ、前官房長官が指揮する、PTへの上納金捻出のための汚職システムを告発する文書を、元市長は作成していたという。殺害は、事実を知られたための口封じとされる。
二〇〇二年に起きたサント・アンドレ市のセウソ・ダニエル市長殺害事件は、PTへの政治資金を捻出しろと賭博業者が恐喝した疑いがあるとして、ビンゴCPIは実兄ジョアン・F・ダニエル氏の召喚を決めた。召喚はトゥーマ上議から申請された。マスコミの同告発報道は、CPIの関心事と重大な相互関係があると、同上議が判断した。
元市長の殺害とともに告発文書は市長室から消えた。同事件は納得できる事実解明が行われることなく、迷宮入りしようとしていた。元市長は同市に構築された汚職システムとPTへの上納の事実を知っていたとみている。同システムに、ジルセウ前官房長官が関与した疑惑がある。
上議らは汚職告発との関係で審理するため、サント・アンドレ元市長殺害事件の調書コピーを請求した。ヴィルジーリオ上議(ブラジル社会民主党=PSDB)が〇四年三月に二十七人の上議の賛同を集め、サント・アンドレCPI設置を提議したことがある。
政府はオタヴィオ上議(PFL)とパエス上議(ブラジル民主運動党=PMDB)に圧力をかけ葬った経緯がある。今回は仕切り直しである。サント・アンドレCPIの握り潰しで奔走したのは、メルカダンテ上議(PT)と上院議長のカリェイロ上議(PMDB)であった。
殺し屋の目を逃れて潜伏中の実兄ジョアン・F・ダニエル氏は十八日、CPIに出頭し、ジルセウ前官房長官と大統領の私設秘書カルヴァーリョ氏と対面対決の用意があると宣言した。実兄は常に監視され、気の休まることがない。死ぬことは怖くないが、生きることが怖い潜伏生活に耐える苦汁の日々を訴えた。
弟が殺害されて、三年九カ月になるという。実兄は、最高裁のジョビン長官が当時PT党首であったジルセウ下議が関与した同事件を取り下げなければ、ブラジルは裏金疑獄から救われると述べた。
実兄は事実の解明に生涯を賭けると誓った。同氏は眼科医を営んでいたが、身の危険を感じ、名残惜しくも診療所をたたんだ。PTの暗部でヴァレーリオ氏やソアレス氏が暗躍していたことを聞き、PT汚職システムの規模の大きさに驚いたという。
ジルセウ下議は〇四年、実兄を名誉毀損で訴えた。同下議は汚職システムの告訴を受けた出廷を免除する仮判決を裁判所へ要求した。実兄の提訴は、被告人が血圧が高いとか自動車がパンクしたとかで欠席し、審理されなかった。実兄は裁判が政治的駆け引きに利用されないで、弟の魂が浮かばれることだけを望むと述べた。