2005年8月20日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】労働者党(PT)前財務担当のデルービオ・ソアレス氏は、同党の不正工作資金、いわゆる「メンサロン」を追求している裏金CPI(議会調査委員会)で証言し、自党への支持を取りつける見返りに選挙費用を肩代わりして支払ったことを明らかにした。
支払いはすべて裏帳簿で処理し、広告代理業のヴァレーリオ氏を介して行ったという。スキャンダルが表面化して以来、同氏は資金調達と裏帳簿処理は独断かつ一存で行ってきたとの態度を一貫してきたが、今回の証言でも主張は崩さず、大統領はもちろんのこと、主脳部の知る所ではないと強調した。
しかし自由党(PL)党首との連立政権の合意の際での工作費を決定した席上にはジルセウ前官房長官が出席し、隣室には大統領とアレンカル副大統領が待機していたことを認めた。これまでの同氏の独断専行の主張に反し、初めて第三者が介在していた事実が明るみに出たことで、CPIメンバーは新たな展開が伺えると色めき立っている。
また郵便局CPIでヴァレーリオ氏がPTに融資した金額を三九〇〇万レアルと証言したが、それは同オ氏が主張している通り五五〇〇万レアル以上だったことも認めた。しかし正確な金額は覚えておらず、またそれを証明する書状も一切なく、ヴァレーリオ氏との信用取引だったと主張している。
裏金CPIの追求に対し、ソアレス氏は一週間以内に正確な数字を提出する旨約束した。二〇〇二年の大統領選挙でPTの支持を表明した他党の債務肩代わりについては、ブラジル労働党(PTB)は当時の党首で二〇〇三年に飛行機事故死したマルテネス氏と合意に達し、その後ジェフェルソン党首に引き継がれた。
ブラジル民主運動党(PMDB)はボルバ国対委員長が張本人で、同氏はスキャンダルに連座した責任を取って議員を辞職している。進歩党(PP)はジャネーネ国対委員長だが、当時同党の大統領候補シーロ・ゴーメス氏に四五万七〇〇〇レアルを支払った。同氏は(後にブラジル社会党=PSBに移籍、現在は国家統合相)第一次選挙で四位に終わった後、ルーラ候補の支持に回った。この支払いは、その時のルーラ支持のテレビ演説の製作費で、無論領収書はなく、裏会計で処理された。
一連の証言に対し、メンバーの一人ズアリエ・コブラ下議(ブラジル社会民主党=PSDB)が「すべて法律違反ではないか」と詰め寄ったのを受けて、ソアレス氏は「違法だからCPIに召還されて、こうして頭を悩ましているのだ」と開き直りとも取れる発言を吐いた。