2005年8月24日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】PT党の不正資金にからむ一連のスキャンダルの責任を問われているジルセウ前官房長官は、あくまでも身の潔白を主張し戦い抜くとの態度を貫いてきたが、ここにきて反撃の行動を起こす口火を切った。スキャンダルを調査し、議員はく奪の是非を決定する国会規律委員会に対し前長官は二十二日、弁護士を通じて調査の打ち切りと疑惑審議の棚上げ、いわゆるお蔵入りを要求する要請書を提出した。要請書は二十二頁から成り、疑惑は事実無根だとした上で、告発は政党間の権力争いが昂じたもので、「政争の餌食」になったと強調している。とくにPTB党のジェフェルソン党首(現在休職中)が、「二〇〇二年の大統領選挙費用に関連した不正資金調達は前長官の指揮のもとで、PT党ソアレス前財務担当とヴァレリオ広告代理店主が実行した」とする告発に対しては、前長官は当時すでに官房長官に就任しており、PT党の運営から離れており資金調達などの党の仕事に携わることは不可能だったと反論、ジェフェルソン党首を精神的欠陥をともなった「重病人」だと決めつけた。
さらに委員会が調査打ち切りに同意しない場合は、連邦高裁に訴えて司法権発動を促す用意があることも言明した。これにともないバストス法相をはじめとする政界人、ソアレス前財務担当、ヴァレリオ広告代理店主などの関係者すべてを証人として名指しして、徹底取調べを要求する所存だとの意向を示した。
これに対し規律委員会側は前長官の要請を却下し、調査を続行するとの態度を見せている。前長官の説明に対し告発側の言い分も聞く必要があるとして、シロクロの決着をつけるつもりだという。委員会は罪の内容を問うものではなく、あくまでも国会議員としてのモラルを対象としていると強調している。
いっぽうで二〇〇二年に殺害されたサント・アンドレ市のセルソ・ダニエル市長(当時)殺害事件を再捜査している検察は、事件に関連して浮び上ったPT党の裏金が前長官のもとに集中していた可能性があるとコメントしたことに対し、前長官は調査完了の裁判所公式書類があると反論、捜査に応じないとの立場を強調した。