大統領弾劾で不確定時代へ=外国違法資金で危機深まる
2005年8月24日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】ドゥーダ・メンドンサ氏のCPI証言は、取り立てて新味はなかった。強いていうなら、政治危機に油を注ぎ経済発展の妨げになったと経済評論家セウソ・ミング氏は論評した。
メンドンサ氏はルーラ大統領の選挙でのマーケティング費用一一〇〇万レアルを、タックスヘイブンのラランジャ(名義賃貸人)の口座へ振り込んでもらった。外国に口座を持っていることは犯罪ではない。
ただ国税局へ申告し、資金の出所をハッキリしておけばよい。出所が正当であっても、証明する書類がないと違法資金と見なされるので選挙費用に充当できないことになる。
裏金を選挙に使っているのは労働者党(PT)だけではない。誰でも選挙システムとして自動的に処理しているから、ルーラ大統領とメルカダンテ上議はどこにもやましいことはなく潔白だと言い張っている。裏金使用は脱税行為で明らかに選挙違反であるが、現在では公然の秘密となっている。
新しく浮上した問題は、外国に預金している違法資金である。法的にはどちらも違法に変わりはない。外国の違法資金が選挙に使用されたことは、大統領包囲網を縮め政治危機の質を一変させた。
タッソ上議とジアス上議は、インピーチメントのため弾劾法廷の設置を提唱した。両上議の本音は、反応を見るための打診なのか本気で弾劾するのか定かでない。確かなのはルーラ政権が崩壊し、政治能力を失いつつあるのではないかという疑問である。
上院で十日に可決された新最低賃金法案は、連立与党の脆弱化を物語った。元CUT(統一労組)理事長のマリニョ労働相が、もし新最低賃金を実施したら国家経済は破綻するという。野党の戦略的議会対策は高価なものになりそうだ。特別補正予算として、一七〇億レアルを組まされるのだ。
もう一つ心配の種は九日に承認された補正予算案である。数々の欠陥があり原案通り実施となるなら、連邦政府の財政努力は霧散してしまう。これまでブラジル経済は政治危機に耐えたが、錨がしっかりと海底につながっていない。いつフラフラと経済が漂流し出すか分からない。
政治家の不罰特権は野放し状態で、国庫に対して政治家はやりたい放題だ。政府の政治努力は、政治家のわがままで吹き飛ばされる。そんな中、ようやく経済基準のメンテナンスが、徐々に形成されつつある。しかし、大統領の弾劾気運が盛り上がるものなら、ブラジルは不確定時代を迎える。