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年金基金の口座開示申請=郵便局CPI=疑惑の銀行に投資=見返りはPTへの融資=「打ち出の小槌」にされたか

2005年8月26日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十五日】郵便局CPI(議会調査委員会)は二十四日、ミナス・ジェライス銀行とルラル銀行へ信託投資を行った三大年金基金Funcef、Petros、Geapなど基金の口座開示許可を申請することにした。CPIは基金と労働者党(PT)の裏帳簿や広告業者ヴァレーリオ氏との癒着関係にメスを入れる。前記二行は年金基金の投資の見返りにPTと広告業者へ融資した可能性があり、焦げ付きを承知の上での融資とCPIは判断した。CPIはさらに、公社の十一の年金基金についても二行との関わりを調べる。
 CPIは八月四日、財務省と社会保障院、十一公社の年金基金総裁宛にミナス・ジェライス銀行とルラル銀行の確定利付き社債購入の有無について問い合わせたが、現在まで未回答である。ヴァレーリオ氏が構築した裏金システムに年金基金が関与しているのか、CPIは疑っている。
 ヴァレーリオ氏の仲介でPTへ融資した五五〇〇万レアルは、投資の見返りだとするなら金額が多すぎるとCPIはいう。焦げつきを承知の上で融資をしたと見れば、納得できる。年金基金は直接PTへ政治献金できない。だから二行経由で上納したらしい。
 年金基金をPT打出の小槌として使ったとする疑念が、CPIを覆った。年金基金側から見るなら上納金は損失だが、PT側から見ると基金総裁らはグシケン前広報長官の忠実な配下らしい。これは同前長官から説明を受けることになる。
 政府機関の中にPT党員の主従関係があるらしい。しかし、配下に危険な投資を強いるほど影響力があるのかは疑問である。グシケン前長官の召喚は、資料が揃い次第行われる。
 口座開示が二十五日に許可されるのは次の基金とみられる。中央銀行のCentrusとFurnasのRealGrandeza、EletrobrasのEletros、郵政公社のPostalis、伯銀のPrevi、TelebrasのSistel、連邦データバンクのSerpros、港湾公社のPortus。
 正式に認可された年金基金は、総数で二百五十六ある。二八七〇億レアルの資金を有し、投資能力は絶大である。これだけで国内総生産(GDP)の一六%である。大手年金基金の資金力は、国内大手企業に優る。最大は伯銀の年金基金Previで、七二七億レアルを有する。
 企業ランク一番のペトロブラスのPetrosは、一〇一億レアルの資金力を有す。これが政治家にとって垂涎の的であることは論を待たない。今回CPIの標的にされた三基金の資金力は、合計で四四六億レアル。これは労働者が将来受け取る恩給のために預けた基金を運用しているのだ。その一部がPT向け政治献金とされたのか、CPIが調査している。
 年金基金の投資には、ハイリスクハイリターンもある。例えばサントス銀行の社債は、一億五〇〇〇万レアルの損害をもたらした。ルラル銀行やミナス・ジェライス銀行の社債購入は、年金基金が海とも山ともつかない二行の株主となったことを意味する。